Windows 11 22H2 (2210、22H2の機能追加)が公開された

2022年09月に公開されたWindows 11 22H2 (2209)。その更新版(機能追加版)が2022年10月19日 日本時間(米国時間では10月18日火曜日)に公開されました。

Windows 11 22H2 の機能追加版の更新プログラムは、2022年10月19日以降にWindows 11 22H2をインストールしたPCでWindows Updateを実行すると、インストールできるオプションの一つとして表示されます。更新プログラムの名前はKB5019509となります。

これをインストールしても、Windows 11のバージョンは「22H2」から変更ありません。

では、詳細を確認していきます。

KB5019509で追加される機能

今回公開された更新プログラム(KB5019509)で追加される機能は、マイクロソフトのKB5019509のサイトから引用すると「ハイライト」と「改善点」は以下の通りです。

ハイライト

  • 新機能! エクスプローラーが強化されます。 Microsoft Edge のように、エクスプローラー セッションを整理するのに役立つタブが含まれるようになりました。 新しいエクスプローラーホームページでは、重要なファイルをピン留めして、すばやく簡単にアクセスできます。 Microsoft OneDrive の機能を使用すると、共有ファイルに対する同僚のアクションを表示できます。 Microsoft 365 アカウントに基づいて、カスタマイズされた提案も提供されます。
  • 新機能! コピーするアイテムに対して推奨されるアクションという機能が追加されます。これは、米国、カナダ、メキシコのお客様が利用できます。 たとえば、電話番号や将来の日付をコピーすると、Teams または Skype で通話を行ったり、予定表アプリでイベントを追加したりするなどの提案が表示されます。
  • 新機能! タスク バーのオーバーフロー メニューが追加されます。 タスク バーには、オーバーフローしたすべてのアプリを 1 つのスペースに表示するメニューへのエントリ ポイントが表示されます。

改善点

このセキュリティ以外の更新プログラムでは、品質が強化されました。 この KB をインストールする場合:

  • 新機能! エクスプローラーが強化されます。 Microsoft Edge のように、エクスプローラー セッションを整理するのに役立つタブが含まれるようになりました。 新しいエクスプローラーホームページでは、重要なファイルをピン留めして、すばやく簡単にアクセスできます。 Microsoft OneDrive の機能を使用すると、共有ファイルに対する同僚のアクションを表示できます。 Microsoft 365 アカウントに基づいて、カスタマイズされた提案も提供されます。
  • 新機能! コピーするアイテムに対して推奨されるアクションという機能が追加されます。これは、米国、カナダ、メキシコのお客様が利用できます。 たとえば、電話番号や将来の日付をコピーすると、Teams または Skype で通話を行ったり、予定表アプリでイベントを追加したりするなどの提案が表示されます。
  • 新機能! タスク バーのオーバーフロー メニューが追加されます。 タスク バーには、オーバーフローしたすべてのアプリを 1 つのスペースに表示するメニューへのエントリ ポイントが表示されます。
  • 新機能! 近くの共有を使用して、デスクトップを含む他のデバイスを検出して共有できるようになりました。
  • 新機能! これで、コントロール パネルではなく、Windows 設定からすべてのアプリをアンインストール、修復、変更できるようになりました。
  • 新機能! フェデレーション認証のパフォーマンスが向上します。

この中で、今後よく利用することになる機能は、

  • ファイル エクスプローラーのタブ機能
  • タスクバーのオーバーフローメニュー

でしょうか。

ファイル エクスプローラーのタブ機能

ついに、Windowsファイル エクスプローラーにタブ機能が追加されました。いままでのファイル エクスプローラーは、一つのフォルダーを開くごとに新しいウィンドウが開きました。これが、Microsoft Edgeなどと同様に、ウィンドウ内にタブとして開くことができるようになりました。

KB5019509を適用前のWindows 11 22H2 のファイル エクスプローラー

ファイルエクスプローラーのウィンドウのタイトルバーは、普通のタイトルバーです。特別な機能はありません。

タブ機能を追加する前のWindowsファイル エクスプローラー(KB5019509適用前)

また、コンテキストメニューには、「開く」で現在のウィンドウ内で開く手段と、「新しいウィンドウで開く」で新しいウィンドウで開く手段が用意されています。

KB5019509を適用後のWindows 11 22H2 のファイル エクスプローラー

ファイル エクスプローラーにタブ機能が追加され、ウィンドウのタイトルバーは、タブに変更になりました。また、新規タブを容易に追加できるようにタブの右側には「タブの追加」ボタン(+)が用意されています。

タブ機能を追加した後のWindowsファイル エクスプローラー(KB5019509適用後)

また、コンテキストメニューには、従来からある「新しいウィンドウで開く」に加えて、「新しいタブで開く」が追加されています。

タスクバーのオーバーフローメニュー

タスクバーのオーバーフローメニューとはタスクバーに表示しきれなかったアイコンがあった時に、ポップアップメニューで残りのものを表示できる機能です。

Windows 10のときは、アイコンがタスクバーに表示しきれなかった場合、上下ボダンが表示されて、表示するアイコン群を変更できました。

10個のアイコンをすべて表示する幅がある場合(Windows 10)
10個のアイコンをすべて表示する幅が足りない場合(Windows 10)

しかし、Windows 11では、切り替えボタンが表示されることはなく、タスクバーから表示されなくなったアイコンにアクセスできませんでした。この場合、これらのアイコンのアプリに切り替えるにはAlt+TabキーやWindows+Tabキーでアクセスするしかありませんでした。

KB5019509を適用前のWindows 11 22H2 のタスクバー

たとえば、タスクバーに10個のアイコンが表示されていたとします。

10個のアイコンをすべて表示する幅がある場合(KB5019509適用前)

この状態で、画面の幅を狭くしていくと、ついには10個のアイコンが表示しくれなくなり、9個しか表示されなくなります。

10個のアイコンをすべて表示する幅が足りない場合(KB5019509適用前)

この画面の例の場合、「メモ帳」のアイコンの右に表示されていた、「ペイント」のアイコンが表示されていません。そのため、タスクバーからは「ペイント」にアクセスできません。

KB5019509を適用後のWindows 11 22H2 のタスクバー

KB5019509を適用すると、アイコンが表示しきれなくなると、一番右にオーバーフローボタン(・・・)が表示され、そこをクリックすると、残りのアイコンがオーバーフローメニューとしてポップアップウィンドウとして表示されます。なお、このオーバーフローメニューに表示されるアイコンは、タスクバー上のアイコンと一部重複はあります。

実際に動作を確認します。たとえば、タスクバーに10個のアイコンが表示されていたとします。

10個のアイコンをすべて表示する幅がある場合(KB5019509適用後)

この状態で、画面の幅を狭くしていくと、最後には10個のアイコンが表示しくれなくなり、8個しか表示されなくなります。そして、9個目のアイコンの位置には、オーバーフローボタンが表示されます。

10個のアイコンをすべて表示する幅が足りない場合はオーバーフローボタンが表示(KB5019509適用後)

オーバーフローボタンをクリックすると、オーバーフローメニューが表示されます。このオーバーフローメニューにはタスクバーに表示しきれなかった「メモ帳」と「ペイント」のアイコンが表示されます。なお、この例では、「設定」アイコンはタスクバーとオーバーフローメニューの両方に表示されています。

Windows 10では、タスクバーにアイコンが表示しきれない場合、タスクバーに表示するアイコン群を切り替える上下ボタンが表示されていました。そのため、Windows 11で同等の機能が用意されていなかったのは、設計・実装の漏れのような気がしますが、、、。ただ、KB5019509でいい形の機能で実装されたのでよいとしましょう。

Windows UpdateでのKB5019509のインストール

2022年10月19日に公開されたWindows 11 22H2に機能を追加する更新プログラムは、KB5019509となります。この更新プログラムは、Windows Updateの「更新プログラムのチェック」を実行すると、インストール候補として列挙されます。

Windows UpdateでKB5019509がオプションのインストールとして一覧に存在

2022年10月20日時点では、この更新プログラムは上記のように列挙されるのみで、自動ではインストールされません。

ユーザーが明示的に「ダウンロードとインストール」ボタンを実行すると、ダウンロードとインストールが開始されます。

Windows UpdateでKB5019509をダウンロード中

インストールの時間は長くはかかりません。

Windows UpdateでKB5019509をインストール中

ダウンロードとインストールが終わると、以下のように再起動が必要であることが通知されます。

Windows UpdateでKB5019509のインストール完了のための再起動待ち

今回の更新更新プログラムKB5019509は、OSのアップグレード扱いではなく、通常の更新扱いです。そのため、再起度にかかる推定時間は短め(ストレージがSSDのPCなら3分間から5分間程度)となっているようです。

「今すぐ再起動する」ボタンを実行すると、すぐに再起動を開始します。

再起動が完了し、サインインすると、すぐにデスクトップが表示されます。OSアップグレード時にあるような、初回タスク(OOBE)はありません。

更新されたかどうかは、Windowsファイル エクスプローラーを起動するとすぐにわかります。エクスプローラーのタイトルバーがタブ化されていれば、正常に更新できています。

アップデート前のバージョン情報

更新プログラムKB5019509を適用する前は、KB5019509以外の更新プログラムはすべて適用済みの状態です。

システムのバージョン情報の画面は以下の通りです。

バージョン、OSビルド、エクスペリエンスを抜き出すと以下の通りです。

バージョン: 22H2
OSビルド: 22621.674
エクスペリエンス: 10000.22634.1000.0

アップデート後のバージョン情報

更新プログラムKB5019509を適用したあとの、システムのバージョン情報の画面は以下の通りです。

バージョン、OSビルド、エクスペリエンスを抜き出すと以下の通りです。

バージョン: 22H2
OSビルド: 22621.675
エクスペリエンス: 10000.22634.1000.0

ビルド番号のピリオド以下の番号が674から675に更新されたのみです。祖霊じゃ位の番号は全く変更されていません。Windows Insideのビルドでは、OSビルド番号が22621と22622に区別してリリースされていました。そのため、今回の機能追加の正式公開では、OSビルド番号を22621から22622に上がるものと想定していました。意外でした。

なお、Windows Insider のビルドは、これがリリースされた以降は、22621と22623の組み合わせでリリースされるようになりました。そのため、KB5019509は、Windows Insiderビルドでの22622相当であると思われます。

なお、KB5019509がOSビルド番号が22621系の番号でリリースされたということは、次回のセキュリティの定期更新である11月9日(米国時間では11月8日)に、Windows 11 22H2がインストールされたのすべてのPCを対象に自動更新されることになると思います。

サブスクライバーダウンロードのisoファイル

Visual Studio サブスクライバーとは、マイクロソフトとVisual Studioのサブスクライブ契約したユーザーのことです。以前はMSDNサブスクライバーと呼ばれていました。Windows向けの開発者の多くは契約することが多いと思います。

Visual Studio サブスクライバーであれば、Visual Studioだけでなく、開発用・検証用にWindowsのisoファイルがダウンロードできます。

Visual Studio サブスクライバー ダウンロード サイトには、2022年10月18日(US時間、日本時間では10月19日)にWindows 11 22H2の2022年10月更新版のisoファイルがダウンロードできるようになりました。

2022年10月更新版のダウンロードできるisoファイル名は、日本語版(x64)・英語版(x64)は以下の通りでした。

  • ja-jp_windows_11_consumer_editions_version_22h2_updated_oct_2022_x64_dvd_3be9f802.iso
  • en-us_windows_11_consumer_editions_version_22h2_updated_oct_2022_x64_dvd_8c1e689b.iso

ただ、クリーンインストールしたところ、インストールされたWindows 11 22H2のビルド番号は、22621.674でした。そのため、KB5019509を反映する前のイメージです。KB5019509は、来月の更新のイメージで反映されるのでしょうか?

Windows 11 22H2 2022年10月更新版(KB5019509)のリリース

Insider PreviewビルドであるWindows 11 22H2 のKB5019509について振り返ってみたいと思います。

今年のWindows 11 22H2に関する今までのWindows Insiderビルドのリリースをまとめてみました。ビルド番号、公開日(Dev channel / Beta channel / Release Preview channel)、変更・改善点・修正、既知の問題、主なトピックの順です。

channelの違いについては、以前の投稿を参照してください。ただし、この投稿のときは、channelではなく、ringと呼ばれていました。投稿中のringに関しては、Fast ring→Dev channel、Slow ring→Beta channel、Release preview ring→Release preview channelと読み替えてもらえば、ほとんど同じです。ringからchannelへの変更ついては、2020年6月15日のWindows Insiderブログ(英語)に記載があります。

Windows 11 22H2 のKB5019509は、Windows Insiderビルドでは、22622系に相当します。これはWindows 11 22H2系(22621.xxxx系)のちょっとした改善です。そのため開発期間は短く、2022年7月から開始しており、当初からDev ChannelではなくBeta Channelです。

この表では、Windows 11 22H2 である22621以降のBeta channelへのリリースを含めています。

ビルド番号公開日
(Dev channel)
公開日
(Beta channel)
公開日
(Release preview channel)
一般的な変更、
改善点、修正
(General changes,
improvements,
and fixes)
既知の問題
(Known issue)
トピック
226212022/05/112022/06/071 + 52
22621.1602022/06/130 + 01File Explorer Tabs
22621.1692022/06/300+610
22621.290 / 22622.2902022/07/050 + 11
2 + 17
1
2
Suggested Actions
22621.436 / 22622.4362022/07/190 + 10
2 + 22
0
1
nearby sharing, Share to OneDrive
22621.440 / 22622.4402022/07/281 + 4
4 + 5
10Taskbar Overflow
22621.3172022/07/280 + 90
22621.440 / 22622.4402022/08/020 + 9
0 + 9
4
6
22621.575 / 22622.5752022/08/100 + 9
1 + 12
9
10
22621.4572022/08/2311 + 180
22621.586 / 22622.5862022/08/240 + 12
0 + 37
4
4
22621.590 / 22622.5902022/09/010 + 2
0 + 17
3
3
22621.598 / 22622.5982022/09/121 + 2
1 + 5
1
1
22621.521正式公開日
(2022/09/20)
22621.601 / 22622.6012022/09/210 + 4
0 + 4
0
1
KB5017384
22621.6072022/09/220 + 300KB5017389
22621.730 / 22623.7302022/09/290 + 15
2 + 21
0
7
KB5017385
Tablet-optimized taskbar / System Tray Updates
22621.6082022/10/044 + 0KB5017389
22621.741 / 22623.7412022/10/100 + 2
0 + 6
0
4
22621.6752022/10/110 + 0KB5019509
正式公開(2022/10/18)
22621.746 / 22623.7462022/10/130 + 2
0 + 5
0
5
KB5018490

ビルド番号が22621になったのは、2022年5月であるため、5か月間くらいの短い表となりました。この表から分かるように、Windows 11 22H2 KB5019509向けには、当初からBeta channelが利用されており、Dev channelは使われませんでした。

Windows 11 22H2が各channel(旧ring)に配信され始めた時期をまとめると以下のようになります。

  • 2022年5月11日 Beta channel 22621
  • 2022年7月5日 Beta channel 22621.290 / 22622.290 に枝分かれ
  • 2022年9月22日 Release Preview channel 22621.607
  • 2022年10月18日 Visual Studio サブスクライバーでisoファイルがダウンロード可能 22621.674 (KB5019509は未適用)
  • 2022年10月18日 Windows Updateで22621.675 (KB5019509)が配布開始 (この時点で自動更新はまだで、手動更新のみ)

Windows 11 22H2のKB5019509は、小さな機能追加であるため、短い開発期間でのリリースで完成に至りました。

Windows 22H2 ビルド22621 の KB5019509のWindows Updateでの配信

先に話した通り、Windows 11 22H2がインストールされたPCでは、2022年10月19日以降であれば、Windows Updateにオプションの更新プログラムとして列挙されます。10月時点では、自動ではイストールされません。しかしビルド番号が、22621.675と、22621系であるため、22621系であるWindows 11 22H2のPCには、11月の更新プログラムでは自動的にインストールされるようになるのではないでしょうか?

Windows 22H2 ビルド22622は?

前回の投稿の最後で、「ビルド22622はいつ?」と書きましたが、最終的には、ビルド番号は22621のままで、Windows Insiderビルド22622相当の機能が2022年10月に公開されることになりました。Windows Insiderビルドでの22622は22623へ移行しました。22623でも新しい機能が追加されていきますが22623相当の機能は、いつ頃に公開になるのでしょうか?


以上、完成・公開されたばかりのWindows 11 22H2のビルド22621.675 (KB5019509)の紹介でした。

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