Windows 11 22H2 (2209)が完成・公開された

2021年10月に公開されたWindows 11。その2022年更新版の公開日が決まりました。2022年9月20日です。

Windows Insider Programで入手できる2022年9月上旬時点での最新のWindows 11である、Windows 11 Proのビルド22621.457で確認したところ、設定アプリの「システム→バージョン情報」では、エディションは「Windows 11 Pro」、バージョンは「22H2」と表示されていました。

Windows 11の2回目リリースのバージョン名は、Windows 10の2020後半から始まったバージョンの命名規則を引き継ぐようです。Windows 11の2回目のバージョン名は22H2です。

Windows 11の2回目リリースの最終版(22621.xxx)でも、 エディションは「Windows 11 Pro」、バージョンは「22H2」 となっていました。このバージョンにつけられた名前はWindows 11 2022 Updateとなります。

サブスクライバーダウンロードのisoファイル

Visual Studio サブスクライバーとは、マイクロソフトとVisual Studioのサブスクライブ契約したユーザーのことです。以前はMSDNサブスクライバーと呼ばれていました。Windows向けの開発者の多くは契約することが多いと思います。

Visual Studio サブスクライバーであれば、Visual Studioだけでなく、開発用・検証用にWindowsのisoファイルがダウンロードできます。

Visual Studio サブスクライバー ダウンロード サイトには、2022年9月20日(US時間、日本時間では9月21日)にWindows 11 22H2のisoファイルがダウンロードできるようになりました。このダウンロードサイトには、ここ6年くらいはWindows 10/11のPreview版のisoファイルが置かれたことはありません。置かれるisoファイルは正式リリース版のWindows 11のみです。

ダウンロードできるisoファイル名は、日本語版(x64)・英語版(x64)は以下の通りでした。

  • ja-jp_windows_11_consumer_editions_version_22h2_x64_dvd_ab9135c5.iso
  • en-us_windows_11_consumer_editions_version_22h2_x64_dvd_e630fafd.iso

Windows 11では、32ビット版のイメージは提供されなくなりました。そのため、64ビット版のみとなります。同じisoイメージ(consumer版)で、Home / Education / Pro / Pro Education / Pro for Workstationのエディションがインストールできます。

実際、このサイトからisoファイルをダウンロードして、オフラインでWindows 11 22H2 Proをクリーンインストールしたら、ビルド番号は22621.382でした。そのため、Windows 11 22H2の最終リリースビルドは22621.382で間違いありません。

なお、Windows 10 2004 (2020年の1回目のバージョン)から、機能エクスペリエンスという番号も追加されました。Windows 11 22H2 ビルド22621.382の機能エクスペリエンスは、Windows 機能エクスペリエンス パック 1000.22632.1000.0です。

Windows 11 22H2 のビルド番号とエクスペリエンス番号

なお、ネットワークをつないで、Windows Updateを実行すると、現時点(2022年9月21日時点)では、

  • OSビルド: 22621.521
  • エクスペリエンス: Windows 機能エクスペリエンス パック 1000.22634.1000.0

に更新されました。

インストール後に更新したWindows 11 22H2 のビルド番号とエクスペリエンス番号

Windows 11 22H2のリリース

Insider PreviewビルドであるWindows 11 22H2を振り返ってみたいと思います。

今年のWindows 11 22H2に関する今までのWindows Insiderビルドのリリースをまとめてみました。ビルド番号、公開日(Dev channel / Beta channel / Release Preview channel)、変更・改善点・修正、既知の問題、主なトピックの順です。

channelの違いについては、以前の投稿を参照してください。ただし、この投稿のときは、channelではなく、ringと呼ばれていました。投稿中のringに関しては、Fast ring→Dev channel、Slow ring→Beta channel、Release preview ring→Release preview channelと読み替えてもらえば、ほとんど同じです。ringからchannelへの変更ついては、2020年6月15日のWindows Insiderブログ(英語)に記載があります。

Windows 11 22H2は、Windows 10 2004/20H2/21H1系(1904x.xxxx系)のちょっとした改善ではなく、大きな改変です。そのため、約8か月間はDev Channelで開発されていました。2022年5月以降はBeta Channelです。

この表では、22000より大きいビルド番号になった、22449以降のDev channelへのリリースを含めています。

ビルド番号公開日
(Dev channel)
公開日
(Beta channel)
公開日
(Release preview channel)
一般的な変更、
改善点、修正
(General changes,
improvements,
and fixes)
既知の問題
(Known issue)
トピック
224492021/09/028 + 8413SMB圧縮の挙動/プログレスリング
224542021/09/093 + 4813ゴミ箱のコンテキストメニュー/コンテキスtメニューの共有/韓国語IME
224582021/09/152 + 1114電源ボタンのサインイン オプション
224632021/09/226 + 3611Microsoft PowerToys
224682021/09/292 + 159
224712021/10/041 + 149
224782021/10/145 + 368フルーエント絵文字
224832021/10/202 + 810
224892021/10/275 + 229アカウント設定ページ
224942021/11/034 + 2610マイクのミュート
224992021/11/101 + 1510Teamsの共有
225042021/11/172 + 20913個のテーマ、組み合わせ絵文字、Phoneアプリ
225092021/12/019 + 215Webのナレーター
225182021/12/085 + 4017ウィジェット、音声操作
225232021/12/154 + 1918
225262022/01/064 + 916
225332022/01/128 + 1610ボリュームインジケーター、電話アプリ
225382022/01/192 + 405音声操作
225432022/01/276 + 185音声ナレーター
225572022/02/1643 + 4817スタート領域のフォルダー、ライブ字幕、タッチジェスチャー、タスクマネージャー
225632022/02/247 + 6420タブレットのタスクバー
225672022/03/0211 + 6617Windows Update、Device Setup(OOBE)、Smart App Control
225722022/03/0910 + 5813Microsoft Family、Clipchamp
225792022/03/1811 + 4312
225812022/03/232022/03/235 + 4015
225932022/04/062022/04/0610 + 9116
225982022/04/132022/04/136 + 5211Media Player
226102022/04/292022/04/2910 + 1005Family Safety Widget
226162022/05/052022/05/053 + 122
226212022/05/112022/06/071 + 52
22621.1602022/06/130 + 01File Explorer Tabs
22621.1692022/06/300+610
22621.290 / 22622.2902022/07/050 + 11
2 + 17
1
2
Suggested Actions
22621.436 / 22622.4362022/07/190 + 10
2 + 22
0
1
nearby sharing, Share to OneDrive
22621.440 / 22622.4402022/07/281 + 4
4 + 5
10Taskbar Overflow
22621.3172022/07/280 + 90
22621.440 / 22622.4402022/08/020 + 9
0 + 9
4
6
22621.575 / 22622.5752022/08/100 + 9
1 + 12
9
10
22621.4572022/08/2311 + 180
22621.586 / 22622.5862022/08/240 + 12
0 + 37
4
4
22621.590 / 22622.5902022/09/010 + 2
0 + 17
3
3
22621.598 / 22622.5982022/09/121 + 2
1 + 5
1
1
22621.5212022/09/20
正式公開日

22449になったのは、2021年9月であるため、1年間くらいの長い表となりました。この表から分かるように、Windows 11 22H2向けには、8か月間Dev channelが利用されていました。Beta channelは、2022年3月からで、2022年5月には、Dev channelは次の開発に移行しまし、22H2はBeta channelのみとなりました。

Windows 11 22H2が各channel(旧ring)に配信され始めた時期をまとめると以下のようになります。

  • 2021年9月2日 Dev channel 22449
  • 2022年3月23日 Beta channel 22581
  • 2022年6月7日 Release Preview channel 22621
  • 2022年9月20日 Visual Studio サブスクライバーでisoファイルがダウンロード可能 22621.382
  • 2022年9月20日 Windows Updateで配布開始 (この時点で自動更新はまだで、手動更新のみ)

Windows 11は、大きなUI変更を含む大型アップデートであるため、開発は時間をかけてのリリースで完成に至りました。

Windows 22H2 ビルド22621 の Windows Updateでの配信

今回は、完成したばかりのWindows 11 22H2のプレビュービルド・公開ビルドについて紹介しました。このWindows 11 22H2は、まずは、プリインストールPC向けに利用されます。

2022年9月21日現在は、第9世代Intel CPUを搭載したPCの仮想PC環境上のWindows 11 21H2のPCでWindows Updateを明示的に実行(手動実行)しても、Windows 22H2はWindows Update経由ですぐに配信されませんでした。

第10世代Intel CPUを搭載するWindows 11 21H2 のSurface Book 3でWindows Updateを試した場合は、下記のように「近日公開予定:Windows 11 22H2」と表示されましたが、アップデートすることはできませんでした。このPCは、グラフィックスがNVIDIAです。2022年9月時点でWindows 22H2にアップグレードすると、NVIDIAグラフィックスのパフォーマンスが落ちる問題が出ているため、対象のPCにはアップグレードの配信が延期されているのだと思われます

「近日公開予定: Windows 11 version 22H2」と表示されたWindows Update

そのため、まずは、対象を絞った一部のユーザーから順次Windows 11 22H2に上がっていくものと思われます。すべてのユーザーにWindows 11 22H2が配信されるのは、半年くらいかかるのでしょうか。

2022年9月27日 追記

上記の第9世代Intel CPUを搭載したPCの仮想PC環境上のWindows 11 21H2のPCで、2022年9月27日現在では、Windows Updateに「Windows 11 version 22H2 が利用可能です」にが表示されました。

「Windows 11 version 22H2 が利用可能です」と表示されたWindows Update

「ダウンロードとインストール」ボタンをクリックし、「ソフトウェア ライセンス条項」に同意すると、すぐにダウンロード・インストールできます。

動んろーど前の「ソフトウェア ライセンス条項」の同意
Windows 11 version 22H2 のダウンロード・インストールを開始したWindows Update

Windows 22H2 ビルド22622はいつ?

また、今回公開されたWindows 11 22H2は、ビルド番号が22621のものです。Windows 11 22H2 の機能強化版であるビルド22621は、まだ公開されていません。機能強化版のWindows 22H2は10月には公開されるのでしょうか。


以上、完成・公開されたばかりのWindows 11 22H2のビルドの紹介でした。

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