Windows 11が発表された – インストールするときのシステムの要件

前回の投稿で「what’s next for Windows」のオンラインイベントの開催の紹介をしました。実際に視聴したのですが内容はWindows 11の発表でした。

イベントはWindows 11の機能紹介でした。発表資料にConsumer Briefing (消費者向け説明会)という文字が一瞬見えたので、開発者向けではなく、一般ユーザー向けの説明会だったようです。

開発者としては、アプリの作り方が変わるのか、プレビュー版のインストールはできるのかなどが気になるところです。このような開発者向けの情報は、マイクロソフトブログで公開されていました。

What Windows 11 Means for Developers – Windows Developer Blog (英語)

What Windows 11 Means for Developers

このブログでは、以下の項目について述べられています

  • The new Microsoft Store;
    (新しいマイクロソフトストア)
  • Improvements in end-to-end Web development;
    (エンド・ツー・エンドのウェブ開発の改善)
  • New features coming for native Windows apps;
    (Windowsのネイティブアプリケーションに搭載される新機能)
  • The Fluent design system and WinUI; and
    (FluentデザインシステムとWinUI、そして)
  • What’s new for game developers.
    (ゲーム開発者向けの新機能)

Windows 10のハードウェア要求

Windows 11をインストールするための最低限満たすべきハードウェアは、Windows 10に比べて上がりました。Windowsでは、Windows Vista, 8, 8.1, 10 の間ではハードウェア要求はあまり変わりませんでした。

Windows 11のハードウェア要求は

のページの最後の方に記載されています。上記のサイトから引用したWindows 11のハードウェア要求は以下の通りです。比較の為にWindows 10のリリース当初の要件も記載します。なお、Windows 10はバージョン1607で要件が少し変更されています。

項目Windows 11の要件Windows 10の要件(リリース当初)
プロセッサ1 GHz 以上で 2 コア以上の64 ビット互換プロセッサまたは System on a Chip (SoC)1 GHz 以上のプロセッサまたは System on a Chip (SoC)
メモリ4 GB RAM1 GB (32 ビット OS)
2 GB (64 ビット OS)
ストレージ64 GB 以上の記憶装置16 GB (32 ビット OS)
20 GB (64 ビット OS)
システムファームウェアUEFI、セキュア ブート対応BIOS (CMS)またはUEFI
セキュアブートは任意
TPMトラステッド プラットフォーム モジュール (TPM) バージョン 2.0TPMは任意
グラフィックス カードDirectX 12 互換のグラフィックス / WDDM 2.x ドライバーDirectX 9 以上および WDDM 1.0 ドライバー
ディスプレイ9インチ以上、HD解像度 (720p)8インチ以上、800 x 600
インターネット接続Windows 11 Home Edition のセットアップには Microsoft のアカウントとインターネット接続が必要ですSモードのエディションのセットアップにはMicrosoft アカウントもしくはAzure アクティビティディレクトリ(AAD)アカウントとインターネット接続が必要
Windows 11 / Windows 10におけるシステムの最小要件

64ビット版Windowsのみ

Windows 11では、32ビットOSは提供されず、64ビットOSだけの提供となります。Windows Severでは、2009年のWindows Server 2008 R2から64ビット版のみの提供となりました。12年遅れてWindowsのクライアントOSでも64ビット版のみの提供になります。

プロセッサ(CPU)

シングルコアのCPUはWindows 11の要件を満たさなくなりました。

また、Windows 11では、サポート対象から、過去のCPUなどは排除されるようです。リンク先を確認すると、Intel CPUの場合ならおおよそ第8世代(Kaby Lake Refresh, Coffee Lake)以降のものがサポートされるCPUとなります。

これにより、OS内部の設計・実装で、最新のCPUの省電力機能などをフル活用できるようになります。古いCPUのシステムにインストールできなくなることは残念ですが、新しいOSが効率的な電源管理をできるようになり、Windows 11はより魅力的になるでしょう。

UEFIとセキュアブート

Windows 11がインストールできるのは、UEFIのシステムのみになります。WindowsのクライアントOSにおいても、ついにBIOSのシステムにOSをインストールできなくなります。販売されていたPCは、2012年くらいからUEFIに変わっていたので特に問題はないと思います。また、セキュアブートの有効化が必須となりました。これにより、Windows 11ではブートローダーなどWindowsが起動が完了する前に実行されるプログラムにマルウェアなどが入り込むことはなくなります。

TPM 2.0 (トラステッド プラットフォーム モジュール 2.0)

TPM 2.0が必須となりました。TPM (Trusted Platform Module) とは、Wikipediaより引用すると以下の通りです。

 Trusted Platform Module (TPM、トラステッド プラットフォーム モジュール) とは、コンピュータのマザーボードに直付けされているセキュリティに関する各種機能を備えたデバイスもしくはチップで、暗号化/復号や鍵ペアの生成、ハッシュ値の計算、デジタル署名の生成・検証などの機能を有する。国際標準規格(ISO/IEC 11889)に則っている[1][2]。主に専用チップとして実装されたディスクリートTPMと、CPU内部のセキュリティ領域で実行されるファームウェアTPMがある。(wikip)

Wikipediaより引用

簡単に言えば、暗号化で利用する鍵を安全な場所で管理するための仕組みです。

TPMは、独立したハードウェアとしての実装と、CPUとUEFIとの連携で実装されたファームウェアTPMの実装があります。Intel CPUであれば第4世代(Haswell)以降でTPM 2.0に対応していると思われます。UEFI側でCPUと連携したファームウェアTPMでTPM 2.0が実装されていれば、ハードウェアTPMは必要ありません。

古いPCシステムへのWindows 11をインストールするための障壁

古いPCシステムへWindows 11をインストールしようとした場合、障害になるのは、以下の3つになると思います。

  • 1 GHz 以上で 2 コア以上CPU (Intel CPUならおおよそ第8世代(Kaby Lake Refresh, Coffee Lake, 2017年)以降)
  • UEFI/セキュアブート
  • TPM 2.0 (ファームウェアTPM 2.0は、Intel CPUならおおよそ第4世代(Haswell, 2013年)以降)

CPUの要件

CPUの周波数条件、コア数条件はほとんどの場合に問題にならないと思います。この条件なら2010年のPCであってもほぼクリアしていると思います。CPUの世代はハードルが高いかもしれません。Intel CPUならおおよそ第8世代(Kaby Lake Refresh, Coffee Lake, 2017年)以降となります。少し古めのPCだと、満たせない可能性があります。

ただ、最低要件としては、「1 GHz 以上で 2 コア以上の64 ビット互換プロセッサまたは System on a Chip (SoC)」としか書かれていません。また、CPUの詳細リストが掲載されているリンク先は、サポートされるCPUと記載されているだけで、最低要件ではないようにも読めます。もしかしたら、最低要件を満たせばサポートされるCPUでなくてもインストールできる可能性はあります。インストールイメージが公開された試してみたいと思います。

UEFI/セキュアブートの要件

PCシステムのファームウェアとして、かなり以前はBIOSが使用されていましたが、今はUEFIです。BIOSからUEFIの切り替えは2012年くらいから始まっているので、少し古めのPCシステムであってもこの要件は満たせると思います。なので特に問題ならないでしょう。

TPM 2.0の要件

TPM 1.2であれば、かなり古いPCシステムでも要件は満たせますが、要件は、TPM 2.0です。TPM 1.2ではAESなどが使えないので現在における推奨暗号アルゴリズムが使えないことになります。TPM 2.0が要件なるのは仕方がないでしょう。

CPUとUEFIの連携でファームウェアTPM 2.0が実装できるのは、Intel CPUならおおよそ第4世代(Haswell, 2013年)以降なので、それ以降のCPUのPCシステムか、もしくは、独立したハードウェアとしてTPM 2.0が実装されているPCシステムが必要となります。

Windows 11はHyper-Vの仮想マシンにインストールできるのか?

私は、Windows Insider programなどによるWindows 10のプレビュー版は、Hyper-Vの仮想マシンにインストールしています。Windows 11のプレビュー版でも同様にHyper-Vの仮想マシンにインストールしたいと考えています。

Hyper-Vの仮想環境にWindows 11はインストールできるのでしょうか? 

結果だけいうと、仮想マシンがシステム要件を満たせばインストールできます。

ただし、システム要件を満たすために、Hyper-Vの設定変更が必要になることがあります。

Windows 11のシステム要件を満たすHyper-Vの仮想マシンの作成方法・設定は、次回の投稿で説明したいと思います。

Windows 11とWindows Insider Program

Windows PCのOEMメーカーなどを除くと、Windows 11のプレビュー版を試したい場合は、Windows Insider Programを利用することが考えられます。

では、Windows Insider Programには、Windows 11が提供されるのでしょうか?

結論としてあh提供されます。Windows Insider向けのマイクロソフトのブログに記載があります。

このブログから一部引用します。

Today, we unveiled Windows 11 to the world, and we know Windows Insiders are super excited to get their hands on it! As Panos mentions here, we plan to release the first Insider Preview build for Windows 11 next week. However ahead of that release – we wanted to let Insiders know of a few changes we are making to how they will receive Windows 11 Insider Preview builds going forward.

マイクロソフトブログより

本日、私たちは Windows 11 を世界に向けて発表しましたが、Windows Insider の皆さんはそれを手にすることを非常に楽しみにしていると思います。Panos氏がここで述べているように、私たちは来週、Windows 11の最初のInsider Previewビルドをリリースする予定です。しかし、そのリリースに先立ち、今後のWindows 11 Insider Previewビルドの受け取り方にいくつかの変更があることを、Insidersの皆さんにお知らせしたいと思います。

マイクロソフトブログを日本語訳

このように、6月24日(米国時間)の時点で、来週(6月28日の週)にWindows 11のプレビュー版をリリースする予定であると明言しています。

これを裏付けるように、現在(6月26日時点)、Windows Insider Progoram向けにDevチャネルで配布されているWindows 10のプレビュー版のイメージにもWindows 11に関する記載があります。

たとえば、設定のWindows Insider Program画面では、以下のように「Windows 11ビルド」と記載があります。

設定の「更新とセキュリティ」→「Windows Insider Progoram」の画面

さらにWindows Insider Programの設定画面には、チャネルの説明のところに「Windows 11 ビルド」と記載されています。この画面から、「Devチャネル」と「ベータチャネル」には、Windows 11のプレビュー版が公開されるようです。

設定の「更新とセキュリティ」→「Windows Insider Progoram」の「チャネルの選択」の画面

ハードウェア要件を満たせないPCへのプレビュー版のインストール

ハードウェア要件を満たせないPCには、Windows 11はインストールできないようです。しかし、以前からWindows Insider Programに参加しているPCの場合は、特別にインストールできる手段があるようです。これも、以下のブログに記載されています。

マイクロソフトブログから表を以下に抜粋します。

Windows Insider ProgramにおけるWindows 11インサイダープレビュービルドの対応表

上記の表を日本語に要約したものを以下に示します。

満たす:ハードウェア要件・最小要件満たさない:ハードウェア要件
満たす:最小要件
満たさない:ハードウェア要件・最小要件
Devチャネル
(6月24日以前からWIPに参加済みのPC)
対象となる対象となる

注意:ハードウェア要件を満たさないPCにインストールすることは、結果として、いくつかのエクスペリエンスや機能が制限されたり、動作しない場合がある。
限定的な例外として対象となる

Windows 11の正式リリースまでは、更新できます。ただし、それまでにWindows 10に戻すことが必要です。Windows 11の将来のプレビュー版の対象にはなりません。
ベータチャネル
(6月24日以前からWIPに参加済みのPC)
対象となる対象となる

ただし、一度自動的にRelease Previewチャネルへ自動変更される。その後、Devチャネル・ベータチャネルに再参加することが可能。

注意:ハードウェア要件を満たさないPCにインストールすることは、結果として、いくつかのエクスペリエンスや機能が制限されたり、動作しない場合がある。
対象とならない
リリースプレビューチャネル
(6月24日以前からWIPに参加済みのPC)

すべてのチャネル
(6月24日以降に新規にWIPに参加したPC)
対象となる
(オプションによるアップグレード)
対象とならない対象とならない
Windows Insider ProgramにおけるWindows 11 インサイダープレビュービルドの対応表

まとめると、Windows 11のハードウェア要件および最小要件を満たすかどうかで状況が異なります。

  • ハードウェア要件を満たすPC: Windows 11のプレビュー版の対象となります。
  • 最小要件のみを満たすPC:2021年6月24日より前からWidnows Insider Programの対象のPCでかつ、Devチャネル・ベータチャネルのPCは、Windows 11のプレビュー版の対象となります。
  • 最小要件を満たさないPC:2021年6月24日より前からWidnows Insider Programの対象のPCでかつ、DevチャネルのPCは、正式リリースまではWindows 11のプレビュー版の対象となります。

なお、ハードウェア要件を満たさないPCにWindows 11のプレビュー版を入れた場合は、エクスペリエンスや機能の制限があったり、部分的に動作しない場合があったりします。


今回は、Windows 11が発表されたこととWidows 11のシステムの要件についての投稿でした。次回は、Windows 11のハードウェア要件を満たす、Hyper-Vの仮想マシンの作成および設定について投稿したいと思います。

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