VAIO RCのケースで最新PC(Z790、第13世代CPU)を組み立てる#19 USB3.2 Gen 2ヘッダ・USB3.2 Gen 2コネクターの増設 2

基板上にPH68と記載のあるUSB 3.2 Gen 2 (10Gbps) 拡張ボードを入手して、USB 3.2 Gen 2 19ピン ヘッダ端子を増やすことにしました。入手したので、この拡張ボードの詳細を調べます。

PH68: USB 3.2 Gen 2 (10Gbps) 拡張ボード

入手した拡張ボードには以下のものです。

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この製品は以下の構成でした。

PH68 – USB 3.2 Gen 2拡張ボードと付属品

製品としてはシンプルな構成で、拡張ボード本体と付属品がロープロファイル用のバックパネルと固定用ネジです。

拡張ボード本体には、標準サイズのバックパネルが取り付けられていますが、付属のロープロファイル用のバックパネルに付け替えることができ、ロープロファイルの拡張ボードしても利用できます。

PH68 – USB 3.2 Gen 2拡張ボード

この拡張ボードのPCI expressの電気的な接続は、PCIe Gen 3 x 2 であり2レーンでの接続です。しかしPCI expressのの物理スロットサイズは、x1, x4, x8, x16 しか規定されていないので、物理サイズは x4 のサイズとなります。そのため、この拡張ボードを使うためには、マザーボード側は、x4、x8 または x16 の空きスロットが必要となります。

つぎに、基板のリビジョンを確認します。上記の写真だと基板のリビジョンが確認しにくいので、基板部分を拡大した写真が以下です。

PH68 – USB 3.2 Gen 2拡張ボード (基板拡大)

Amazon上の製品の写真には、Rev:1.1 か Rev:1.2 の2種類しか存在が確認できませんでした。しかし、発送されてきたのは、Rev: 1.3 23E05 というリビジョンで、さらに修正が入った新しいリビジョンの基板でした。

参考までに、拡張ボードの各方向からの写真は以下となります。

PH68 – USB 3.2 Gen 2拡張ボード (下側)
PH68 – USB 3.2 Gen 2拡張ボード (上側)
PH68 – USB 3.2 Gen 2拡張ボード (奥側)
PH68 – USB 3.2 Gen 2拡張ボード (裏面)
PH68 – USB 3.2 Gen 2拡張ボード (バックパネル側)

PH68 の端子

PH68は、USB 3.2 Gen 2の拡張ボードです。この拡張ボードにより、追加で利用できるようになるUSB端子は4個です。

  • 19ピン ヘッダ端子 (PCケース内部側)
  • Key-A (Type-E) 端子 (PCケース内部側)
  • Type-A 端子 (バックパネル側)
  • Type-C 端子 (バックパネル側)

4個とも形状は異なり、4種類の端子がひとつづつ利用可能になります。

4個の端子ともすべて、10Gbps (USB 3.2 Gen 2 x 1)の規格の端子となります。

PH68 – USB 3.2 Gen 2拡張ボード (奥側)
PH68 – USB 3.2 Gen 2拡張ボード (バックパネル側)

VI822の正体 (VL822)

このPH68の拡張ボードは、Amazonでいろいろな販売者が扱っています。その商品紹介を確認すると、PH68には、コントロールLSIとしてASM3142とⅥ822を使用していると説明されています。

ASM3142は、製品仕様やデータシートで確認すると、PCIe3 x 2接続でUSB 3.2 Gen 2 x 1を2ポートを実現するコントロールLSIです。

しかし、「VI822」を、WEBで検索しても製品仕様やデータシートが見つかりません。

そこで、製品構成から考えました。ASM3142がUSBポートを2ポートしか実装しないので、この拡張ボードの端子数的に、USBハブが必須です。そのため、USBハブであることを想定して、「USB HUB 822」でWEB検索したところ、製品仕様が見つかりました。

製品名称が間違っており、「VI822」ではなく、正しくは「VL822」です。拡張ボードの製品情報について、どこかで、LとIが間違って記載され、それがすべての販売者に間違って伝搬したようです。

VL822の製品仕様は以下の通りです。

製品URLhttps://www.via-labs.com/product_show.php?id=99
メーカーVIA Labs, Inc.
アップストリーム ポート1ポート (10Gbps, USB 3.2 Gen 2)
ダウンストリーム ポート4ポート (10Gbps, USB 3.2 Gen 2)
VL822 USB 3.2 Gen 2ハブ コントローラー

VL822のブロック図を確認すると、1ポートを4ポートに分割するUSB 3.2 gen 2のハブであることが一目瞭然です。

アップストリーム (ブロック図の左上)のEnhanced SS PHY および USB 2.0 PHYを、4ポートのダウンストリーム(ブロック図の下側)に分割しています。

VL822 ブロック図

拡張ボードのUSBのポート数とコントロールLSI

PH68 (USB 3.2 Gen 2)の拡張ボードには、4つの端子があります。

  • 19ピン ヘッダ端子 (PCケース内部側)
  • Key-A (Type-E) 端子 (PCケース内部側)
  • Type-A 端子 (バックパネル側)
  • Type-C 端子 (バックパネル側)

このうち、19ピン ヘッダ端子には、2ポート分のUSB信号線が実装されています。

そのため、全端子で、5ポート分のUSB信号線があることになります。

ASM3142は、ダウンストリームが2ポートです。そして、VL822はダウンストリームが4ポートです。

下記のようにASM3142のダウンストリームの一つのポートにVL822のアップストリームをつなぐと、全体として、ダウンストリームが5ポートとなり、製品の端子構成に一致します。

PH68 ブロック図

そのため、PH68は、ASM3142とVL822が上記のようにつながっていると考えられます。


USB拡張ボード PH68 の製品構成を確認しました。次回は、この拡張ボードをPCに挿して、Windows上から拡張ボードを確認します。

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