VAIO RCのケースで最新PC(Z790、第13世代CPU)を組み立てる#14 既存のフロントUSB 2.0 Type-A ポートのUSB 3.2化 2

前回の投稿で、VAIO RCのケースのフロントパネルの下部左側のUSB 2.0のポートの調子悪いので、USB 3.2化することにしました。その続きの投稿となります。

VAIO RCのケースのフロントUSB ポート

VAIO RC 前面

VAIO RCのフロントパネル(前面)にあるUSBポートは、中央のあたりに1ポート(下記の左側のVAIO RC前面の画像の3番の部分)、下部のあたりに2ポート(下記の左側のVAIO RC裏面の画像の5番の部分)、合計3ポートあります。

VAIO RCは、2006年くらいに販売されていました。当時は、USB 3.0の規格(2008年)はありませんでした。そのため、VAIO RCのケースにあるUSBポートは、すべてUSB 2.0規格ののものとなります。

今回、写真の5番の二つのUSB 2.0ポートをUSB 3.2 Gen 1のポートに置き換えます。

まずは、既存のUSB 2.0ポートにアクセスするため、ケースを分解します。

USB ポートの分解の手順

では、写真で交換のための順番を説明します。

ドライブベイの蓋を取り外す

まずは、ドライブベイの蓋を開けます。VAIO RCの設計思想では、ドライブをユーザーが交換することも想定しています。そのため、この蓋は簡単に開けれるようになっています。赤色の丸の部分(隙間の間)にふたを開けるためのボタンがあり、簡単に開けることができます。

フロントUSBポートの分解1

VAIOロゴの手前カバーを取り外す

ドライブベイの蓋は、側面のカバーが外れるだけです。VAIOロゴのある前面のカバーを外す必要があります。前面のカバーは、下左の写真のように、3か所の爪で固定されています。この爪は、軽く引っ張りながらずらすと、外れます。ひとつづつ爪を外した後に、カバー全体を取り外すと簡単にできます。

フロントUSBポートの分解2
フロントUSBポートの分解3

前面カバーを取り外す

黒色の前面カバーは、下左の写真のように、3か所の爪で固定されています。この爪は、軽く押しながらずらすと、外れます。ひとつづつ爪を外した後に、カバー全体を取り外すと簡単にできます。

フロントUSBポートの分解4
フロントUSBポートの分解5

下部の端子プレートの取り外し

フロントのプラスティックパネルを外したら、下部の端子プレートを取り外します。端子プレートは、3本のネジで固定されています。

フロントUSBポートの分解6

3本のネジを外すと、下記のように端子プレートを外すことができます。端子プレートには、複数のケーブルがつながっています。電源ボタン、電源LED、HDD LED、オーディオ、映像、USBポートへのケーブルです。USBポートのケーブル以外は、差し込まれているだけで、ネジでは固定されていません。電源ボタン、電源LED、HDD LEDは、爪に引っ掛けて固定されているだけなので、爪の引っ掛かりを外して、取り外します。オーディオと映像のケーブルは、それぞれ、刺さっているだけなので、まっすぐ引けば抜けます。ただし、テープで抜けくくしてあることがあるので、その場合は、テープを剥がしてから抜けばよいです。

フロントUSBポートの分解7

USBポートのケーブルは、ネジで固定されています。2か所のネジを外せば、USBポートのケーブルはUSBポートごと取り外すことができます。

フロントUSBポートの分解8

USBポートのケーブルは、ケーブル自体に、縦に2段のポートがつながっています。

フロントUSBポートの分解9

USBポートへのUSBデバイスの抜き差しには、大きな力がかかるため、金属プレートとは、ネジで強力に固定されていたようです。

USBケーブルのポート部の形状

このUSBケーブルの固定用のネジ穴の間隔を確認します。

フロントUSBポートのケーブルのポート(前)

二つのネジ穴の間隔は、おおよそ24mmです。同じ形状のUSBケーブルで、ネジの間隔が24mmであれば、容易に変更することが可能です。

横から見た形状も確認します。

フロントUSBポートのケーブルのポート(横)

横から見た形状として特徴的なのは、USBポートの終端とネジ留め面が一致してないことです。おおよそ5mmくらいの差があります。

市販のパネル用USB 3ケーブル

Amazonで、VAIO RCのケースのフロントパネルのUSBケーブルと同様の形状のUSB 3.2 Gen 1のパネル用USBケーブルを探します。

すると、以下のようなスタッカブル USB 3 ケーブルを見つけることができます。

パネル用スタッカブル USB ケーブル (Amazon)

これが使うことができれば、取換えがすごく簡単です。しかし、二つの適合問題があり、実際には、これを使うことはできません。

  • ネジ穴の間隔 (30mm)
  • ネジ固定面とポート端子の終端面の関係 (ほぼ同一面)

上記の二つ問題で、VAIO RCのプロントパネルのUSBケーブルとしては適合しません。

VAIO RCのケースでは、ネジ穴の間隔は24mmです。しかし、上記の商品は、30mmです。ネジ穴の間隔6mmも異なるので、ネジで固定できません。

Amazonでは上記の商品以外の商品もいくつか見つけることはできます。しかし、2段組のUSBポートのパネル用USBケーブル、または、1段のUSBポートのパネル用USBケーブルであっても、ネジ穴の間隔は30mmです。パネル固定用のUSBケーブルのネジ穴の間隔は30mmがスタンダードのようです。

また、ネジ固定面とポートの終端面の位置関係も問題があり、適合しません。VAIO RCのケースに使うためには、それらの面の間には5mm程度の段差が必要です。しかし、市販されているパネル用USBケーブルは、二つの面の段差はほとんどのものが0mmです。段差がないものを無理やりVAIO RCのケースのパネルに取り付けると、USBポートの位置が、フロントパネルの面よりかなり奥の方に入り込んでしまいます。この場合、USBデバイスのUSBケーブルを接続することができません。

市販のパネル用スタッカブル USB ケーブルを使うのとは、異なる方法を考える必要があります。

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スタッカブルUSBポート基板

何か使えそうなものがないか、Amazonを検索していると、以下のものが見つかりました。

ただし、固定用のネジ穴はないので、ネジで固定する部分は、別途用意する必要があります。3Dプリンターで印刷すればよいでしょう。

また、上記のUSBポート基板からは、下記のような内部延長用 USB 3.0 ケーブルが使えそうです。

上記の延長用ケーブルは、30cm程度のものですが、AliExpressを検索すると50cm程度のものもあるようです。

なお、USB 3.0 延長用ケーブルには、ケーブル部分にフラットケーブルを使った安いものも見つかります。しかし、USB 3.2 Gen 1は、5Gbpsの高速な通信速度です。通信障害が発生する可能性があるので、ノイズ対策がされていないフラットケーブルを使ったものを利用するのは避けましょう。


次回は、上記のパーツを使って、フロントパネルのUSBポートをUSB 3.2 Gen 1化できないか検討します。

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