VAIO RCのケースで最新PC(Z790、第13世代CPU)を組み立てる#2 マザーボード

前回は、古い電源を最新の電源を取り換えました。今回はマザーボードです。

VAIO RCのケースとマザーボード

Micro ATXが上下逆向きに配置

VAIO RC (type R)の筐体はマイクロATXサイズのマザーボードを取り付けることができます。

マイクロATXサイズのマザーボードとは、ATXサイズのマザーボードか拡張スロットを3つ分なくすことにより、一回り小さいサイズにしたマザーボードです。

ただし、VAIO RCのケースは、通常のPCケースとは異なるところがあります。

通常のPCケースは前面から見ると左側の蓋が開きます。マイクロATXのマザーボードを取り付けるとPCIエクスプレス / PCIのコネクターが下側になります。

しかし、VAIO RCの筐体は、前面からみると右側の蓋が開きます。そのため、マイクロATXのマザーボード(上右の図の赤色枠の部分)を取り付けるとPCIエクスプレス/PCIのインターフェース部(上右の図の黄色枠の部分)が上側になります。

VAIO RCのケースの空気の流れ

この特徴により、PCIe/PCIインターフェース部が電源のすぐそばになります。電源の内部ファンが下側にあれば、PCIe/PCIインターフェースにグラフィックボードなどを接続したとき、グラフィックボードから発生する熱を電源ファンがPCケースの外に排出してくれます。

マザーボードの条件

今回組み立てるPCのマザーボードの条件は以下の通りです。

  • MicroATXサイズであること (VAIO RCのケースを使う上で必須条件です)
  • Z790チップセットであること
  • M.2 M-keyが複数あること
  • Display Port / HDMI端子があること
  • USB 3.1 Gen2が多いこと
  • マザーボード上の接続端子は極力基板に対して垂直方向であること

この条件に合致する商品はあまりありません。そもそも、「MicroATXサイズ」と「Z790チップセットであること」の二つの条件だけで、2023年3月時点で、日本で発売されているマザーボードは3つに絞られてしまいます。

マザーボード上の端子の向きの注意点

VAIO RCのケースは、ケースの側面から見たとき中央に吸気口のがある特徴的なケースとなっています。この吸気口の場所がマザーボードの奥行きの制限となります。具体的には、一つ目の写真の赤色の枠の部分がマザーボードのサイズの制限です。

基本的にMicroATXサイズのマザーボードであれば、問題なく取り付けが可能です。ただし取り付けたときに、その吸気口とマザーボードの間の隙間がほとんどありません。その隙間は実測で、9mm-10mmくらいです。

もし、SATAの端子が吸気口側の縁にあり、基板に対して平行方向(吸気口方向)に出ている場合は、ケーブルをつなぐことができなくなります。そのため、使用したい端子は基板に対して垂直方向に配置されているマザーボードが必要です。

SATAに関しては、L字型のSATAケーブルが存在します。それを利用し、SATAケーブルを接続してから、マザーボードをケースに固定すれば、基板に対して平行方向の端子であっても利用できます。しかし、SATA端子が二段重ねの場合でもL字型SATAケーブルは一つしか接続できないため、二段重ねのSATA端子はどちらか一つしか利用できません。

2023年3月時点で日本で発売されているZ790のチップセットを搭載したマイクロATXサイズの3つのマザーボードについて、マザーボード上の端子について確認します。

ASRock Z790M PG Lightning/D4

ASRock Z790M PG Lightning/D4は、2022年10月20日に発売されたマザーボードです。

メモリは、DDR5ではなくDDR4となります。ストレージ用のM.2スロットが二つとWi-Fi用のM.2スロットが一つあります。

SATA端子は全部で四つあります。二つのSATA端子は、マザーボードに対して垂直方向の端子ですが、残りの二つ(赤色の円枠)は、マザーボードに対して平行方向の端子です。L字型のSATAケーブルを使うと、奥行き方向に制限があるVAIO RCのケースを使った場合でも最大で3つのSATA端子が使えることになります。

二つのSATA端子以外の端子(水色の円枠)は、すべてマザーボードに対して垂直方向の端子なので、奥行き方向に制限があるVAIO RCのケースを使った場合でも問題なく利用できます。

ASRock Z790M PG Lightning/D4

ASUS PRIME Z790M-PLUS D4-CSM

ASUS PRIME Z790M-PLUS D4-CSMは、2022年11月11日に発売されたマザーボードです。

メモリは、DDR5ではなくDDR4となります。ストレージ用のM.2スロットが三つとWi-Fi用のM.2スロットが一つあります。

SATA端子は全部で四つあります。二つのSATA端子は、マザーボードに対して垂直方向の端子ですが、残りの二つ(赤色の円枠)は、マザーボードに対して平行方向の端子です。L字型のSATAケーブルを使うと、奥行き方向に制限があるVAIO RCのケースを使った場合でも最大で3つのSATA端子が使えることになります。

二つのSATA端子以外の端子(水色の円枠)は、すべてマザーボードに対して垂直方向の端子なので、奥行き方向に制限があるVAIO RCのケースを使った場合でも問題なく利用できます。

ASUS PRIME-Z790M-PLUS D4-CSM

GIGABYTE Z790M AORUS ELITE AX (rev.1.0)

GIGABYTE Z790M AORUS ELITE AX (rev.1.0)は、2022年12月9日に発売されたマザーボードです。

メモリは、DDR5となります。ストレージ用のM.2スロットが三つあります。Wi-Fi用のM.2スロットはありませんが、Wi-Fiモジュールがボード上に標準で用意されているため、Wi-Fiは標準で利用できます。

SATA端子は全部で六つあります。六つのSATA端子のすべて(赤色の円枠)が、マザーボードに対して平行方向の端子です。L字型のSATAケーブルを使うと、奥行き方向に制限があるVAIO RCのケースを使った場合でも最大で3つのSATA端子が使えることになります。

SATA端子以外の端子(水色の円枠)は、すべてマザーボードに対して垂直方向の端子なので、奥行き方向に制限があるVAIO RCのケースを使った場合でも問題なく利用できます。

GIGABYTE Z790M AORUS ELITE AX (rev.1.0)

最終的に準備したマザーボード

3つのマザーボードのチップセットは、同じZ790であるため、サポートしているCPUは同じとなります。三つのマザーボードの大きな違いは以下となります。

  • ストレージ用のM.2スロットの数
  • メモリの仕様 (DDR4 / DDR5)
  • Wi-Fiのサポート (標準装備なのか、Wi-Fi用のM.2スロットが用意されているだけか)
  • フロントパネル用USB Type-Cコネクターの速度の違い

どれをとっても、GIGABYTEのマザーボードが仕様上は優れています。

現在(2023年3月時点)なら、GIGABYTEのマザーボードの一択です。

しかし、この投稿は2023年に書きましたが、マザーボードを選択し・購入したのは、2022年の終わりです。そのときは、GIGABYTEのマザーボードはまだはありませんでした。そのため、ASRockとASUSのマザーボードを比較し、でストレージ用のM.2スロットの数が多かった、ASUS PRIME Z790M-PLUS D4-CSMを購入しました。

ASUS PRIME Z790M-PLUS D4-CSM

ASUS PRIME Z790M-PLUS D4-CSMの外箱は以下の通りです。日本の正規代理店からの購入です。値段は3万円強でした。

ASUS PRIME-Z790M-PLUS D4-CSM (箱の表)
ASUS PRIME-Z790M-PLUS D4-CSM (箱の裏)

マザーボードの上下左右の4辺のは以下の通りです。内部端子でマザーボードの基板に対して平行に出ている端子は、二つのSATA端子のみです。それ以外の端子は、マザーボードの基板に対して垂直方向に向いています。

ASUS PRIME-Z790M-PLUS D4-CSM (上側)
ASUS PRIME-Z790M-PLUS D4-CSM (下側)
ASUS PRIME-Z790M-PLUS D4-CSM (バックパネル側)
ASUS PRIME-Z790M-PLUS D4-CSM (奥側)

各端子の利用予定

購入したマザーボードの端子の利用予定は以下の通りです。

ASUS PRIME-Z790M-PLUS D4-CSM

M.2 M-key x 3

M.2 M-keyの三つのスロットは、二つはメインのNVMe SSDとサブのNVMe SSDを接続して使う予定です。メインのNVMe SSDはホストのシステムと開発用の作業エリアにします。サブのNVMe SSDは、仮想環境のイメージ用にして、ホストのシステムとは分離します。残りの一つは、将来の予備用となります。

SATA x 4

使用することができる3個のSATA端子は、将来的に光ドライブ(1端子分)、大容量HDDでのRAID1(2端子分)に使う予定です。

内蔵USB2.0 x 4 (2端子)

内蔵USB2.0端子(4個分。1端子に2個づつ)は、VAIOケースのフロントUSB端子(上部USB端子+メモリカードリーダ、下部USB端子2口)に使います。

内蔵USB3.1 Gen 1 x 2 (1端子)

内蔵USB3.1 Gen 1端子(2個分。1端子に2個づつ)は、1端子分を将来にUSB3.1 Gen 1メモリカードリーダー+USB3.1 Gen1端子を追加するのに使う予定です。

内蔵USB3.1 Gen 1 Type-C x 1 (1端子)

内蔵USB3.1 Gen 1 Type-C端子は、フロントパネルにType-C端子を増やすために使う予定です。

今回までの主な部品のまとめ

となりました。


次回はCPUとメモリです。

“VAIO RCのケースで最新PC(Z790、第13世代CPU)を組み立てる#2 マザーボード” への3件の返信

  1. 初めまして、川本と申します。
    私もVAIO-RC72を改造して使用しており、そろそろ再リニューアルしようと考えていまして、この記事にたどり着きました。
    参考にさせていただきます。

    1. 今からだと、Intel第14世代CPUで、チップセットは700番台ですね。私が準備し始めたときは、MicroATXのZ790とDDR4メモリの組み合わせのマザーボードしかありませんでした。
      今だと、Z790でDDR5メモリの組み合わせのマザーボードあるので、最高スペックのが構築できますね。

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