ソニー製VAIOのアップデートプログラムの提供が2023年3月に終了するようです。
この告知はVAIO社製VAIO PCのことではありません。ソニー製VAIOのことです。
ソニー製VAIOとVAIO社製VAIO PC
紛らわしいのですが、VAIO PCには、ソニー製VAIOとVAIO社製VAIO PCの2種類があります。
ソニー製VAIOとは、ソニー株式会社が1997年(米国は1995年)から2014年まで製造・販売していたVAIOブランドのWindows PC、周辺機器、関連商品となります。
対して、VAIO社製VAIO PCとは、VAIO株式会社が2014年から現在(2022年時点)まで製造・販売しているVAIOブランドのWinodws PCとなります。VAIO社は、現在ではVAIOブランドをWindows PC関連以外でも使用しているようなので、ここでは、VAIO PCと限定しました。
VAIO株式会社とは、2014年にソニー株式会社がWindows PC事業の撤退をした時に、Windows PC事業に関わっていた一部の従業員を母体に設立された新会社です。そのため、VAIO株式会社の設立当初の従業員は、ソニーのグループ会社の出身の人がほとんどでした。しかし、出資的には、ほとんどが日本産業パートナーズ（JIP）であり、ソニーグループ株式会社からほぼ独立した会社です。「ほぼ」というのはソニー株式会社は数%の出資をしていたからです。
ソニー製VAIOのアフターサービス
ソニー株式会社としては、2014年にWindows PC事業から撤退したので、現在はソニー製VAIOは発売されていません。2014年までに発売したソニー製VAIO(Windows PC)は、wikiの情報によると最盛期で年間870万台出荷していたので、累計では数千万台になっていたと思います。
ソニー株式会社がWindows PC事業から撤退した時に1千万人以上いた当時のソニー社製VAIOの既存ユーザーのアフターサービスは、VAIO株式会社ではなく、引き続きソニーのグループ内(ソニーマーケティング)が担当することになりました。
そのため、ソニー社製VAIOのサポートホームページは、現在(2022年8月時点)でも引き続きソニーのホームページ内にあります。
ソニー社製VAIOのサポートサイトと更新プログラム
ソニー社製VAIOのサポートサイトのトップページは以下となります。
https://www.sony.jp/support/vaio/ (2022年8月時点)
このサイトでは、ソニー社製VAIOのファームウェア、デバイスドライバー、バンドルアプリなどの更新プログラムが提供されています。このサイトから更新プログラムを個別にダウンロードすることができます。
VAIO Update
ただ、ソニー社製VAIOには、提供された更新プログラムを自動的にダウンロード・適用するためのVAIO Updateというソフトウェアがインストールされていました。そのため、更新プログラムをユーザーがこのサイトから個別にダウンロードして適用することは少なかったと思います。
更新プログラムの提供終了のお知らせ
2022年8月25日、ソニー社製VAIOのサポートサイトの「お知らせ」に「ソニー製VAIOアップデートプログラム提供終了に関するお知らせ」が追加されました。
この内容をソニーのVAIOのサポートサイトからテキストで引用します。
サポートからのお知らせ
ソニー製VAIOアップデートプログラム提供終了に関するお知らせ（2022/8/25）
ソニーグループ株式会社
ソニーマーケティング株式会社平素は、ソニー製品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。
マイクロソフト株式会社より、2023年1月10日をもってWindows 8.1のサポートを終了することが既に発表されております。
これに伴い、弊社でもソニー製VAIOのアップデートプログラムの提供について、2023年3月31日以降、順次終了してまいります。
当該アップデート情報をご利用されていたお客様におかれましては申し訳ございませんが、何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
ソニー社製VAIOのサポートサイト (https://www.sony.jp/support/vaio/info2/20220825.html)
マイクロソフトが2023年1月10日をもってWindows 8.1のサポートを終了ので、それに合わせて、ソニー製VAIOのアップデートプログラムの提供を2023年3月31日以降に順次終了していくことの告知です。
ソニー製VAIOのOSのリカバリー
このアップデートプログラムの提供の終了は、現在も使用しているソニー製VAIOのWindowsシステムがおかしくなり、OSの再インストールが必要になった時に困ったことになります。
ソニー製VAIOのOSを製品出荷状態にリカバリーしたときは、リカバリーの直後にはたくさんのソニー製の更新プログラムを適用する必要があります。
リカバリー直後の状態では、ソニーが用意したドライバー、ユーティリティ、バンドルアプリケーションにVAIOの動作に支障のある不具合が存在することがあるからです。
その対策として、ソニー製VAIOは、発売日当日やその後に、不具合を修正・更新するためのプログラムをちゃんとユーザーに提供していました。
そのため、購入直後からソニーのサポートページからダウンロードして更新、もしくは、VAIO Updateで自動更新することが可能であり、特に困ることはありませんでした。
しかし、2023年の3月からは、それらの更新プログラムを取得できなくなるのです。告知には明記されていませんが、VAIO Updateでの自動更新もできなくなるものと思われます。
ソニー製VAIOのOSを再セットアップしたら、不具合がある状態のシステムとなってしまいます。
Windows 10にアップグレードして使用しているVAIO
私のところにはWindows 7やWindows 8がインストールされていたソニー製VAIOをWindows 10にアップグレードしたVAIOも健在です。メインマシンではないので、日常的には使用していませんが、必要になった時に使用しています。
これらのVAIOは、OSのアップグレードにともなって必要となる最新のドライバーソフトウェア、ユーティリティソフトウェア、バンドルアプリケーションソフトウェアは、VAIO Update経由、もしくは、上記のソニー製VAIOのサポートページから入手していました。
上記の告知によると、それらの更新プログラムも提供されなくなるということになるのでしょうか？
それも困ります。
OSアップグレード時に必要となる更新ソフトウエア群が入手できなくなるからです。
マイクロソフトはWindows 10を少なくとも2025年10月まではサポートすると宣言しています。現在も使用しているWindows 10のソニー製VAIOをストレージ不調などで、リカバリーをしたら、再びWindows 10にアップグレードできないことになります。実際にはWindows 10へのアップグレードはできますが、ソニー製VAIOのドライバー、ユーティリティ、バンドルアプリケーションが不具合のあるままになります。
何か対策ができないでしょうか。
更新プログラムをダウンロードしてバックアップ
ソニー製VAIOを現在でも使っている人は、将来Windowsの再セットアップが必要になったときのために、更新プログラムをダウンロードしておく必要がありそうです。
VAIO Updateで自動更新をしていた場合、更新するために手動操作が必要な一部の更新プログラムソフトウェアはC:\Updateフォルダーに残っていることもあります。しかし、更新に手動操作が必要のない完全な自動更新の更新プログラムソフトウェアは、自動更新が終わった後に更新プログラムはVAIO Updateによって自動消去されているので、VAIO内のストレージには残っていません。
ソニーのVAIOのサポートページから更新プログラムの提供が中止されても、更新プログラムを適用できるようにするためには、今のうちにダウンロードしておく必要があります。
ダウンロードしてバックアップしておけば、ソニーのVAIOのVAIOをリカバリーしたときや、Windows 10にアップグレードしたときに、更新プログラムを適用することができます。
ソニー製VAIOの更新プログラムは、以下のURLから機種を選ぶと確認することができます。
https://www.sony.jp/support/vaio/update/update-program/index.html (2022年8月時点)
なお、更新プログラムのバックアップは、更新プログラム(EPxxxxxxxxxx.exe)そのもののだけでなく、更新方法が記載されているホームページ(https://www.sony.jp/support/vaio/download/EPxxxxxxxxxx.html)も保存しておきましょう。
バックアップは、VAIOをリカバリーするときに必要となるものであるため、保存する場所は、VAIO本体内のストレージではなく、外部の記録メディア(CD/DVD/USBメモリ/メモリカードなど)です。
ドライバーソフトウェアのVAIO内のバックアップ
ソニーのVAIOのホームページの情報によると、ドライバーソフトウェアに関しては、特定のフォルダー(C:\Windows\Drivers\EXE\)にバックアップが存在するようです。
VAIOのサポートページからドライバーソフトウェアが取得できなくなっても、VAIOが起動する状態であれば、このフォルダーからバックアップを取得することができるようです。
こちらについても、もしものときのために、外部の記録メディアに保存しておきましょう。
今回は、ソニー製VAIOの更新プログラムの提供終了の告知についての投稿でした。ソニー製VAIOを現役で使っている人は、提供終了に備えて、更新プログラムのバックアップを作成しておきましょう。