内部で使用していたApplication Insights向けのライブラリーを一般公開しましたが、今回、そのライブラリーを更新したので、その紹介をしたいと思います。
今回の2.1.1のリリースでは、主にLinuxアプリ向けの改善です。
nsTelemetry 2.1.1リリース
前回のバージョンから現在までの機能拡張を反映した、nsTelemetry 2.1.1をnutgetでリリースしました。nugetでは、ここから取得できます。
今回のリリースは、プレリリース版ではなく、正式版です。(バージョンにalphaをつけていません)。
前回同様、nsTelemetry
のドキュメントは以下のリンクとなります。
- 英語版 Readme.MD (github.com)
- 日本語版 Readme.MD (このサイト内)
- 日本語版 nsTelemetry トップページ (このサイト内)
nsTelemetry 2.1.1の新機能・変更点
このバージョンでは機能の改善と追加をしました。
大きな変更
- なし
新機能
- WSL1/WSL2を含むLinux向けの実装の改善
- Linux向けにStorageFolderプロパティの自動設定機能の追加
バグ修正
- なし
大きな変更
2.1.1では、既存のアプリの実装に影響があるような大きな変更はありません。
新機能
WSL1/WSL2を含むLinux向けの実装の改善
DeviceIdやDeviceModelの決定方法の改善をしました。
- WSL2環境下では、DeviceModelは、WSL2となるのですが、WSL1環境は判定できませんでした。WSL1環境でも正しく判定できるようしました。
- DeviceIdの生成において、より適切にユニークIdになるように仮想PC環境でLinuxを動作させているときの調整しました。
Linux向けにStorageFolderプロパティの自動設定機能の追加
Microsoft.ApplicationInsights.WindowsServer.TelemetryChannel.ServerTelemetryChannelという TelemetryChannel モジュールを使用しています。このServerTelemetryChannelモジュールは名前空間に WindowsServer とついているものの、Linux環境下でも利用できます。
ただし、Linux環境で使うときは、構成ファイルであるApplicationInsight.configファイルにStorageFolderプロパティを設定する必要があります。StorageFolderプロパティの値は、テレメトリー情報の送信に使われる一時的な作業フォルダーです。Windows環境下では、 ServerTelemetryChannel モジュール内で自動的に設定されるのですが、Linux環境下では自動的に設定されず、 ApplicationInsight.configファイル に設定する必要があります。
ApplicationInsight.configファイル に設定するユーザー環境に依存するパスを設定する必要があるのは不便なため、nsTelemetryライブラリーでは、 ApplicationInsight.configファイルにStorageFolderプロパティが設定されていなかった場合に、自動的に適切なフォルダーを利用する機能を追加しました。そのため、nsTelemetryライブラリーを使うときは、Linux環境であっても ApplicationInsight.configファイルにStorageFolderプロパティを設定する必要はありません。
バグ修正
今回のバージョンでは、バグが登録されていないため、バグ修正はありません。
以上、nsTelemetry 2.1.1のリリースの紹介でした。
“PCアプリの利用状況・例外発生状況を遠隔計測する #3 ライブラリー 2.1.1の公開” への2件の返信