Windows IoT Core #1

2015年にWindows IoT Coreの初版がRaspberry Piなどのシングルボードコンピューター向けにリリースされました。現在でも、最新のWindows IoT Coreのリリースが続けられています。最新版は1809となります。

Windows 10 IoT Core

Windows 10 IoT Coreとは、マイクロソフトが開発およびリリースしている、Windows 10をベースとするエンベデッドシステム用の組み込みオペレーティングシステム (OS) です。マイクロソフトが言うには、モノのインターネットを実現するためのオペレーティング システムとなります。なお、IoTはInternet of Things (モノのインターネット)の略です。

2015年7月29日に発表された時点のシステム要件は以下の通りとなります。

Windows 10 IoT Core 最小ハードウェア仕様要求
プロセッサ 400 MHz 以上の x86/x64 プロセッサまたは ARM SoC
RAM ディスプレイ サポートのないデバイスの場合は 256 MB
ディスプレイ サポートのあるデバイスの場合は512 MB (ディスプレイの解像度により異なる)
ストレージ 2 GB
セキュリティ トラステッド プラットフォーム モジュール (TPM) オプション
UEFI セキュア ブート オプション
ディスプレイ 画面 オプション
解像度 デザインに依存
ビット深度 デザインに依存
タッチ、タッチ パッド、デジタル ペン オプション
カメラ 背面カメラ オプション
前面カメラ オプション
オーディオ オーディオ コーデック ハードウェア オプション
プライマリ マイク オプション
セカンダリ マイク オプション
動的ノイズ抑制 オプション
スピーカー オプション
イヤホン オプション
ワイヤレス 2G / 2.5G / 3G (UMTS / EvDO) / 4G (HSPA) セル無線 オプション (データのみ、音声サポートなし)
LTE セル無線 オプション (データのみ、音声サポートなし)
Bluetooth オプション
Wi-Fi オプション
A-GNSS オプション
FM ラジオ オプション
NFC オプション
ネットワーク オプション
センサー 加速度計 オプション
磁力計 オプション
環境光センサー オプション
近接センサー オプション
ジャイロスコープ オプション
通知 バイブレーション メカニズム オプション
NLED オプション
ハードウェア ボタン 電源 ボタンはすべてオプションです
音量を上げる/ 音量を下げる
スタート
戻る/ 検索
カメラ
回転ロック
コネクタ USB オプション
ヘッドホン/ ヘッドセット ジャック オプション
microSD カード スロット オプション
ビデオ出力 オプション
SIM スロット オプション

このように、表示装置を含めほとんどの周辺デバイスはオプションとなっており、必要とする周辺デバイスのみ用意すればよいです。これにより、OSのフットプリントを最小化でき、必要最小限の能力のコンピューターで実行することができます。

Windows 10 IoT Coreの初版は、1507/ビルド10240でした。現在の最新版は、1809/ビルド17763となります。

IoT Coreのリリースの当初はインストールできたボードコンピューターは、Raspberry Pi 2やMinnowBoard Maxぐらいでした。

現在では、x86/x64/arm32/arm64のアーキテクチャの多くのボードコンピューターに対応しています。マイクロソフトがWindows IoT Coreのパッケージを用意しているSoC(予定を含む)は、

  • Broadcom: BCM2837, BCM2836
  • Intel: Atom/Celeron/Pentium (型番は省略)
  • Qualcomm: Snapdragon 410(APQ8016), Snapdragon 212(APQ809)
  • NXP: i.MX 6 Family, i.MX 7 Family, i.MX 8M Family

です。

BroadcomのSoCはRaspberry Piでも使われています。

NXPのSoCは、2018年2月の段階では、i.MX 6/i.MX 7のみ存在しプライベートプレビューでした。2018年12月14日にi.MX 6/i.MX 7はパブリックプレビューになったとアナウンス(英語)がありました。i.MX 8Mについては、現時点ではパブリックプレビューではなく、プライベートプレビューのようです。

プライベートプレビューは、特定のユーザーのみに提供され、一般の開発者は利用できません。パブリックプレビューは、すべての開発者が利用できます。

Windows 10 IoT Core 1809のダウンロード

Windows 10 1809ベースのIoT Core 1809は2018年9月くらいにリリースされたと思います。

Windows IoT Core関連のモジュールは以下のサイトのページからダウンロードできます。

Windows IoT Core documentation – Downloads (英語)

2018年12月時点では、このページの中の以下の部分が最新のIoT Core 1809のダウンロードリンクとなります。

後者の3つのリンクは、プリビルドされたフラッシュイメージのインストーラーを含むisoファイルのダウンロードリンクとなります。

前者の一つ目のWindows 10 IoT Core Pacakgesのリンクからは、さらに、以下のページへ遷移します。

Software download – Windows IoT Core Downloads (英語)

このページにも、最後の方に以下のような記載があり、各シングルボードコンピューター用にビルドしたフラッシュイメージがダウンロードできます。

Pre-built development-only prototype device FFUs
  DragonBoard 410c – Windows 10 October 2018 Update
  MinnowBoard MAX  – Windows 10 October 2018 Update
  Raspberry Pi 2/3 – Windows 10 October 2018 Update

2018年12月時点では、このリンクからダウンロードできるisoファイルは、ファイル名は異なりますが、「Windows IoT Core documentation – Downloads (英語)」のページのリンクからダウンロードできるインストーラーを含むisoファイルと同じものです。

Windows 10 IoT Coreのフラッシュイメージ

Windows 10 IoT Coreのフラッシュイメージには、

  • カスタムビルドイメージ
  • プリビルド開発用イメージ

があります。

カスタムビルドイメージは、開発者が目的のデバイスに必要なモジュールのみを組み合わせて作成する専用のフラッシュイメージとなります。各種設定もカスタマイズすることができます。必要なモジュールのみを組み合わせて作成するイメージなので、不要なモジュールは入らず、必要な設定も完了した状態にできるので、その用途向けに最適なイメージとなります。フットプリントは必要最低限となります。しかし、カスタムビルドイメージを作成するはかなり面倒な作業です。この作業は商品を作成するときは不可欠な作業です。ただ、シングルボードコンピューターで、Windows 10 IoT Coreの動作を試すのが目的の場合は、かなりハードルが高い作業となります。

プリビルドイメージは、開発者が便利なように、マイクロソフトやボードメーカーが各シングルボードコンピューター向けに作成したフラッシュイメージです。ただ、いろいろな機能を試すことができるように多くのモジュールが入っています。また、起動直後に起動するアプリもマイクロソフトが作成した開発者向けのアプリとなります。このイメージは、商品には使うことはできませんが、IoT Coreを試してみたり、アプリ開発などの用途には問題なく使えるイメージとなります。

そのため、ただ、Windows 10 IoT Coreを試すだけであれば、これらのプレビルドイメージを使いましょう。

Windows 10 IoT Core Dashboard

Windows 10 IoT Core Dashboardは、Windows PC上で動作するアプリです。これを使用するとWindows 10 IoT Coreの作成したカスタムビルドイメージやプリビルドイメージをデバイスに簡単に書き込むことができます。また、Windows 10 IoT Coreデバイスを起動したら、このアプリからローカルネットワーク内のWindows 10 IoTデバイスの状態を確認することもできます。

Windows 10 IoT Coreデバイスを開発する上で必須のアプリとなります。

IoT Dashboard – 新しいデバイスのセットアップ

以上が、Windows 10 IoT Coreの概要でした。別の機会にRaspberry PiにWindows 10 IoT Coreのインストールなどを紹介したいと思います。

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