Windows 10は、年2回リリースされ、以前は、バージョン番号はYY03かYY09で(YYには西暦の下二桁の数字)でした。去年から、YYHX ( YYには西暦の下二桁の数字、Xは、上半期が1、下半期が2)となりました。
そのため、2021年の二回目(下半期)のバージョンは21H2です。このWindows 10 21H2 は当初19044.1288が最終版の候補となりました。
最終版の候補になったことはWindows Insider Programの2021年10月21日付のブログ(英語)に記載されています。このバージョンにつけられた名前はNovember 2021 Updateとなります。
2021年10月21日時点で、Windows 10 21H2 は完成したものの、Windows Insiderではない一般ユーザーにはまだ公開はされていませんでした。
Windows Insider向けには、日本語64ビット版が
- Windows10_InsiderPreview_Client_x64_ja-jp_19044.1288.iso
というファイル名で公開されています。
サブスクライバーダウンロードのisoファイル
Visual Studio サブスクライバーとは、マイクロソフトとVisual Studioのサブスクライブ契約したユーザーのことです。以前はMSDNサブスクライバーと呼ばれていました。Windows向けの開発者の多くは契約することが多いと思います。
Visual Studio サブスクライバーであれば、Visual Studioだけでなく、開発用・検証用にWindowsのisoファイルがダウンロードできます。
Visual Studio サブスクライバー ダウンロード サイトでは、2021年11月17日にWindows 10 21H2のisoファイルがダウンロードできるようになりました。
ダウンロードできるisoファイル名は、日本語版(x64/x86)・英語版(x64/x86)は以下の通りでした。
- ja-jp_windows_10_consumer_editions_version_21h2_x64_dvd_ff1f8c0d
- ja-jp_windows_10_consumer_editions_version_21h2_x86_dvd_e813b7eb.iso
- en-us_windows_10_consumer_editions_version_21h2_x64_dvd_6cfdb144.iso
- en-us_windows_10_consumer_editions_version_21h2_x86_dvd_31755f1b.iso
同じisoイメージで、Home / Education / Pro / Pro Education / Pro for Workstationのエディションがインストールできます。
実際、このサイトからisoファイルをダウンロードして、オフラインでWindows 10 21H2 Proをクリーンインストールしたら、ビルド番号は19044.1288でした。そのため、Windows 10 21H2の最終リリースビルドは19044.1288で間違いありません。
なお、Windows 10 2004 (2020年の1回目のバージョン)から、エクスペリエンスという番号も追加されました。
- 2004のエクスペリエンスは、Windows Feature Experience Pack 120.2202.130.0 でした。
- 20H2のエクスペリエンスは、Windows Feature Experience Pack 120.2212.31.0 でした。
- 21H1のエクスペリエンスは、Windows Feature Experience Pack 120.2212.551.0 でした。
- 今回のバージョン21H2のエクスペリエンスは、Windows Feature Experience Pack 120.2212.3920.0 です。
少しだけ番号が増えています。このバージョンのエクスペリエンスパックは、2021年6月22日にWindows Insider向けにリリースされていました。
なお、ネットワークをつないで、Windows Updateを実行すると、現時点(2021年11月20日時点)では、
- OSビルド: 19044.1348
- エクスペリエンス: Windows Feature Experience Pack 120.2212.3920.0 (変更なし)
に更新されました。
Windows 10 21H2のリリース
Insider PreviewビルドであるWindows 10 21H2を振り返ってみたいと思います。
今年のWindows 10 21H2に関する今までのWindows Insiderビルドのリリースをまとめてみました。ビルド番号、公開日(Dev channel / Beta channel / Release Preview channel)、変更・改善点・修正、既知の問題の順です。
channelの違いについては、以前の投稿を参照してください。ただし、この投稿のときは、channelではなく、ringと呼ばれていました。Dev channel→Fast ring、Beta channel→Slow ring、Release preview channel→Release preview ringと読み替えてもらえば、ほとんど同じです。ringからchannelへの変更ついては、2020年6月15日のWindows Insiderブログ(英語)に記載があります。
Windows 10 21H2は、Windows 10 21H1のちょっとした改善であるため、21H1の延長上で開発されています。そのため、この表には21H1がリリースされた以降の21H1のBeta channelへのリリースも含めています。
また、Windows 10 21H2に取り込まれる予定のWindows Feature Experience Packも表に含めています。
ビルド番号 | 公開日 (Dev channel) | 公開日 (Beta channel) | 公開日 (Release preview channel) | 一般的な変更、 改善点、修正 (General changes, improvements, and fixes) | 既知の問題 (Known issue) |
---|---|---|---|---|---|
19043.1023 | – | 2021/05/21 | 2021/05/21 | 38 (KB5003214) | – |
19043.1052 | – | 2021/06/08 | 2021/06/08 | 1 (KB5003637) | – |
19043.1081 | – | 2021/06/17 | 2021/06/17 | 35 (KB5003690) | – |
Windows Feature Experience Pack 120.2212.3920.0 | – | 2021/06/22 | 2021/06/22 | 1 | – |
19044.1147 | – | – | 2021/07/15 | 30 (KB5004296) | – |
19044.1149 | – | – | 2021/07/20 | 1 (KB5004296) | – |
19044.1200 | – | – | 2021/08/18 | 3+32 (KB5005101) | 1 |
19044.1202 | – | – | 2021/08/31 | 0+1 (KB5005101) | – |
19044.1263 | – | – | 2021/09/23 | 0+37 (KB5005611) | – |
19044.1319 | – | – | 2021/10/19 | 0+19 (KB5006738) | – |
19044.1288 | – | – | – | 2021/10/21 最終候補 | – |
19044.1320 | – | – | 2021/10/26 | 1 (KB5006738) | – |
19044.1379 | – | – | 2021/11/16 | 0+30 (KB5007253) | – |
この表から分かるように、Windows 10 21H2向けには、Dev channelが利用されていません。Dev channelは、Windows 10ではなく、Windows 11 向けに利用されています。2021年7月29日以降は、Beta channelも、Windows 11向けに利用されています。
21H2が各channel(旧ring)に配信され始めた時期をまとめると以下のようになります。
- 2021年5月21日 Beta channel 19043.1023
- 2021年5月21日 Release Preview channel 19043.1023
- 2021年10月21日 最終候補 19044.1288
- 2021年11月17日 Visual Studio サブスクライバーでisoファイルがダウンロード可能 19044.1288
- 2021年11月17日 Windows Updateで配布開始 (この時点で自動更新はまだで、手動更新のみ)
21H2は、ちょっとした機能改善でしたが、並行して途中にWindows 11のリリースもあったため、少し時間がかかり6ヶ月くらいのリリースで完成に至りました。
また、Windows 10 21H2のWindows Feature Experience Packは、2021年6月22日にリリース済みの120.2212.3920.0が利用されています。
今回は、完成・公開されたばかりのWindows 10 21H2のビルドについて紹介しました。このWindows 10 21H2は、まずは、プリインストールPC向けに利用されます。
11月20日現在は、Windows Updateを明示的に実行(手動実行)すると、Windows Update経由ですぐに配信されます。既存のWindows 10 21H1 / 20H2 / 2004 / 1909 / 1903 / 1809ユーザー向けにWindows Update経由で自動更新されるのはもう少し先になります。まずは、対象を絞った一部のユーザーから順次Windows 10 21H2に上がっていくものと思われます。すべてのユーザーにWindows 10 21H2が配信されるのは、半年くらいかかるのでしょうか。
以上、完成したばかりのWindows 10 21H2のプレビュービルドと製品版の公開の紹介でした。