この3年くらいは、 Windows 10は、年2回リリースされ、バージョン番号はYY03かYY09で(YYには西暦の下二桁の数字)です。バージョン番号の月の下旬から翌月の初旬に完成します。
2020年の一回目のバージョン(20H1)は、この規則から外れて2004となりました。さらに、2020年の二つ目のバージョンは、20H2となり、YYMMの規則から完全に離れました。このWindows 10 20H2 は当初19042.508が最終版の候補となりました。
最終版の候補になったことはWindows Insider Programの2020年9月18日付のブログ(英語)に記載されています。このバージョンにつけられた名前はOctober 2020 Updateとなります。
その後、一つの問題を解決した19042.541が最終版の一つ目の更新となりました。
Windows 10 20H2 は完成したものの、Windows Insiderではない一般ユーザーにはまだ公開はされていません。
サブスクライバーダウンロードのisoファイル
Visual Studio サブスクライバーとは、マイクロソフトとVisual Studioのサブスクライブ契約したユーザーのことです。以前はMSDNサブスクライバーと呼ばれていました。Windows向けの開発者の多くは契約することが多いと思います。
Visual Studio サブスクライバーであれば、Visual Studioだけでなく、開発用・検証用にWindowsのisoファイルがダウンロードできます。
Visual Studio サブスクライバー ダウンロードサイトには、2020年10月20日(US時間、日本時間では10月21日)にWindows 10 20H2のisoファイルがダウンロードできるようになりました。このダウンロードサイトには、ここ4年くらいはWindows 10のPreview版のisoファイルが置かれたことはありません。置かれるisoファイルは正式リリース版のWindows 10のみです。このサイトにWindows 10 20H2のisoファイルが置かれたということは、完成したことに間違いないようです。
ダウンロードできるisoファイル名は、日本語版(x64/x86)・英語版(x64/x86)は以下の通りでした。
- ja_windows_10_consumer_editions_version_20h2_x64_dvd_338f01ba.iso
- ja_windows_10_consumer_editions_version_20h2_x86_dvd_56b219c2.iso
- en_windows_10_consumer_editions_version_20h2_x64_dvd_ab0e3e0a.iso
- en_windows_10_consumer_editions_version_20h2_x86_dvd_ea9a9e3f.iso
同じisoイメージで、Home/Professional/Workstationのエディションがインストールできます。
実際、このサイトからisoファイルをダウンロードして、オフラインでWindows 10 20H2 Proをクリーンインストールしたら、ビルド番号は19042.508でした。そのため、Windows 10 20H2の最終リリースビルドは19042.508で間違いありません。
なお、前回のバージョン2004 (2020年の1回目のバージョン)から、エクスペリエンスという番号も追加されました。2004のエクスペリエンスは、Windows Feature Experience Pack 120.2202.130.0 でした。今回のバージョン20H2のエクスペリエンスは、Windows Feature Experience Pack 120.2212.31.0 です。少しだけ番号が増えています。
Windows 10 20H2のリリース
Insider PreviewビルドであるWindows 10 20H2を振り返ってみたいと思います。
今年のWindows 10 20H2に関する今までのWindows Insiderビルドのリリースをまとめてみました。ビルド番号、公開日(Dev channel / Beta channel / Release Preview channel)、変更・改善点・修正、既知の問題の順です。
channelの違いについては、以前の投稿を参照してください。ただし、この投稿のときは、channelではなく、ringと呼ばれていました。Dev channel→Fast ring、Beta channel→Slow ring、Release preview channel→Release preview ringと読み替えてもらえば、ほとんど同じです。ringからchannelへの変更ついては、2020年6月15日のWindows Insiderブログ(英語)に記載があります。
ビルド番号 | 公開日 (Dev channel) | 公開日 (Beta channel) | 公開日 (Release preview channel) | 一般的な変更、 改善点、修正 (General changes, improvements, and fixes) | 既知の問題 (Known issue) |
---|---|---|---|---|---|
19041.264 | – | 2020/05/12 | 2020/05/12 | 5 (KB4556803) | 2 |
19041.329 | – | – | 2020/06/09 | 8 (KB4557957) | |
19042.330 | – | 2020/06/16 | – | – | – |
19042.388 | – | 2020/07/14 | – | 6 (KB4565503) | – |
19042.421 | – | 2020/07/24 | – | 40 (KB4568831) | – |
19042.423 | – | 2020/07/31 | – | 2 (KB4568831改) | – |
19042.450 | – | 2020/08/11 | – | 2 (KB4566782) | – |
19042.487 | – | 2020/08/26 | – | 72 (KB4571744) | – |
19042.508 | – | 2020/09/08 | 2020/09/18 | 3 (KB4571756) | 1 |
19042.541 | – | 2020/09/22 | 2020/09/22 | 47 (KB4577063) | – |
19042.546 | – | 2020/09/30 | 2020/09/30 | 2 (KB4577063改) | – |
19042.572 | 2020/10/13 | 2020/10/13 | 4 (KB4579311) | – |
この表から分かるように、Windows 10 20H2向けには、Dev channelが利用されていません。Dev channelは、20H2よりも先のバージョンであるWindows 10 21H1向けに利用されています。
20H2が各channel(旧ring)に配信され始めた時期をまとめると以下のようになります。
- 2020年6月16日 Beta channel 19042.330
- 2020年9月18日 Release Preview channel 19042.508
- 2020年10月20日 Visual Studio サブスクライバーでisoファイルがダウンロード可能 19042.508
20H2は、ちょっとした機能改善にとどめられており、3ヶ月くらいのリリースで完成に至りました。
今回は、完成したばかりのWindows 10 20H2のプレビュービルドについて紹介しました。このWindows 10 20H2は、まずは、プリインストールPC向けに利用されます。
既存のWindows 10 2004/1909/1903/1809ユーザー向けにWindows Update経由で更新されるのはもう少し先になります。過去からの経験による推測では10月下旬ころからWindows Update経由で配信されることになると思います。まずは、対象を絞った一部のユーザーから順次Windows 10 20H2に上がっていくものと思われます。すべてのユーザーにWindows 10 20H2が配信されるのは、半年くらいかかるのでしょうか。
以上、完成したばかりのWindows 10 20H2のプレビュービルドの紹介でした。