ストレージに作成される回復パーティションとは? #1 (パーティションの概要)

Windowsをインストールするとストレージ(HDD/SSDなど)に回復パーティションが作成されます。Windowsのアップグレードを繰り返していると、回復パーティションが複数できたりします。この回復パーティションとは何なのでしょうか?しかし、まずは、パーティションの一般的な事項についてです。

ストレージデバイスのパーティションとは?

コンピュータのストレージデバイス(HDD/SSDなど)におけるパーティション(Partition)とは、ストレージの記憶領域を論理的に分割した個々の領域を指します。記憶領域を論理的に分割することは、パーティショニング(Partitioning)または単にパーティションと言います。

分割された個々のパーティションは、通常、用途ごとに使い分けます。たとえば、システム保存用領域、データ保存領域などのように使い分けます。しかし、Windowsのインストール時のパーティション構成の既定値が分割しない設定になっています。そのため、Windowsの場合はシステム用とデータ用にパーティションは分けて利用することは少ないです。

Windowsから個々のパーティションにアクセスするには、パーティションにドライブレターを割り当てます。ドライブレターを割り当てると、エクスプローラーなどで、パーティション内のファイルを参照できます。詳細な説明は割愛しますが、ドライブレターを割り当てる以外の方法として、パーティションを既存のフォルダーにマウントする方法もあります。

パーティションテーブル

ストレージの記憶領域を論理的に分割した時、パーティションの情報として

  • ストレージ上のどこのセクターからどのセクターまでなのか(パーティションの位置)
  • どのような目的のパーティションなのか(パーティションの種類)
  • どのような属性のパーティションなのか(パーティションの属性)
  • パーティションの個体ID
  • パーティションの名前

などが必要となります。これらの情報は、パーティションテーブルとして保存されます。パーティションテーブルの形式には2種類あり

  • MBRパーティションテーブル (Master Boot Record Partition Table)
  • GUIDパーティションテーブル (Globally Unique Identifier Partition Table)

です。

前者はハードディスクがパソコンで使われ始めた当初から使われています。ストレージの論理ブロックアドレス0(先頭セクター, LBA0)にパーティションテーブル(4エントリー分)が保存されます。

後者は、2000年くらいから使われて始め、Windows 8以降のPCでは多くがこちらを利用します。ストレージの論理ブロックアドレス1-33(LBA1-LBA33)にパーティションテーブル(128エントリー分)が保存されます。GUID Partition Tableを省略してGPTとも言います。テーブルの各要素として保存する情報のパーティションの種類や個体IDの形式としてGUIDが使われています。

Windowsのパーティション構成

Windowsにおける一般的なパーティション構成を見てみましょう。基本的な構成は、

  • Windowsのバージョン(XP, Vista, 7, 8.0, 8.1, 10)
  • Windowsのビット数(32ビット、64ビット)
  • PCの起動用ファームウェアがレガシーBIOSなのかUEFI BIOSなのか
  • OSをクリーンインストールしたPCなのか、OSがプリインストールされて売られているPCなのか

などによって異なります。

BIOSの種類の違いですが、古いPCではレガシーBIOSが使われており、最近のPCではUEFI BIOSが使われています。Windows 8以降に販売されたPCであれば多くの場合UEFI BIOSのPCです。

Windows 10 1809 (64ビット)をインストール直後のパーティション構成

例として、64ビットのWindows 10 1809をクリーンインストールした直後のパーティション構成を比べてみます。レガシーBIOS PCとUEFI BIOS PCの違いにで比べます。

レガシーBIOS PCの場合のパーティション構成は、「ディスクの管理」ツールで確認すると以下のようになっています。

Windows 10 1809インストール直後のパーティション構成(レガシーBIOS)

UEFI BIOS PCの場合のパーティション構成は、「ディスクの管理」ツールで確認すると以下のようになっています。

Windows 10 1809インストール直後のパーティション構成(UEFI BIOS)

BIOSの種類の違いでパーティション構成が異なるのがわかります。UEFI BIOSのPCの方が、パーティション(EFIシステムパーティション: 100MB)が一つ多いです。

しかし、「ディスクの管理」ツールで確認できるパーティションは、パーティションの一部であることがあります。(表示されないパーティションがあります。)

そこで、Windowsに標準でインストールされているdiskpart.exeという管理ツールでもパーティション情報を確認してみます。

レガシーBIOS PCの場合のパーティション構成は、「diskpart.exe」ツールで確認すると以下のようになっています。

DISKPART> list part

  Partition ###  Type                Size     Offset
  -------------  ------------------  -------  -------
  Partition 1    プライマリ            549 MB  1024 KB
  Partition 2    プライマリ            126 GB   550 MB

これらのパーティションはMBRパーティションテーブル(Master Boot Record Partition Table)で構成されていたため、このときパーティションのTypeのIDは以下の対応となります。

プライマリ: 0x07

UEFI BIOS PCの場合のパーティション構成は、「diskpart.exe」ツールで確認すると以下のようになっています。

DISKPART> list part

  Partition ###  Type              Size     Offset
  -------------  ----------------  -------  -------
  Partition 1    回復               499 MB  1024 KB
  Partition 2    システム            99 MB   500 MB
  Partition 3    予約                16 MB   599 MB
  Partition 4    プライマリ          126 GB   615 MB

これらのパーティションはGUIDパーティションテーブル(GUID Partition Table: GPT)で構成されていたため、このときパーティションのTypeのIDは以下の対応となります。なお、GPTの場合、プライマリとはベーシック データ パーティションのことなります。

回復パーティション(Recovery Partition):
  de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac
EFI システム パーティション(EFI System Partition):
  c12a7328-f81f-11d2-ba4b-00a0c93ec93b
Microsoft 予約パーティション(Microsoft Reserved Partition):
  e3c9e316-0b5c-4db8-817d-f92df00215ae
ベーシック データ パーティション(Basic Data Partition):
  ebd0a0a2-b9e5-4433-87c0-68b6b72699c7

UEFI BIOSのPCでは、「ディスクの管理」ツールでは表示されないパーティション(Microsoft 予約パーティション: 16MB)がありました。

EFIシステムパーティション

EFIシステムパーティション(EFI System Partition(英語wiki))は、UEFI BIOSのPCのストレージに作成されるパーティションとなります。このパーティションにはUEFI BIOSから最初に起動されるプログラムなどが保存されています。そのプログラムから他のパーティションにインストールされているシステム(Windowsなど)が起動されます。

Microsoft 予約パーティション

Microsoft予約パーティション(Microsoft Reserved Partition(英語wiki))は、WindowsがGPT構成のストレージに作成されるパーティションとなります。このパーティションは、EFIシステムパーティションの後でかつ、Windowsのシステムパーティション(ベーシックデータパーティション)の前に作成されます。

MBRパーティションテーブル構成のストレージでは、隠しセクターが許されていました。しかし、GPT構成のストレージでは、隠しセクターは許されていません。MBR構成のときに隠しセクターに保存していたデータなどが、GPT構成ではこのパーティションに保存されたりします。しかし、具体的な使われ方は、それを利用するソフトウェアや仕組みに依存します。

ベーシック データ パーティション

ベーシックデータパーティション(Basic data partition(英語wiki))は、Windowsのシステムやデータが保存されるパーティションとなります。Windowsの場合は、Windowsのシステムドライブ(多くの場合、Cドライブ)となります。Windowsのインストーラーは既定値ではひとつのベーシックデータパーティションを作成し、それをシステムドライブとしてCドライブにマウントします。しかし、一つのストレージデバイス内に複数のベーシックデータパーティションを持つこともできます。この場合は、追加のパーティションは、DドライブやEドライブなどにマウントされることになります。

回復パーティション

回復パーティション(Recovery Partition)は、Windowsを修復するためのプログラムやデータを保存するパーティションです。具体的には

  • Windows回復環境(Windows Recovery Environment: Windows RE)というプログラム
  • PCをPC出荷時のイメージに戻すためのイメージデータ

などを保存するパーティションです。

前者のWindows回復環境のみを保存する回復パーティションの場合、500MB程度のパーティションであることが多いです。このパーティションは、Windows Vista以降で使用されます。Windowsを修復するときに使用される起動イメージが保存されています。そのイメージを起動すると、ベーシックデータパーティションにあるWindowsシステムの修復ための複数の選択肢を試すことができます。

後者のPCをPC出荷時のイメージに戻すためのイメージデータを保存する回復パーティションの場合は、サイズは各PCメーカーの各機種ごとに大きく異なります。ベーシックデータパーティションにあるWindowsシステムをプリインストールアプリまで含めて工場出荷状態に戻すための全データが保存されています。


本当は、回復パーティションを移動するための方法を投稿したかったのですが、その前提になるパーティションに関する基本的な情報を説明するだけで終わってしまいました。次の機会に、回復パーティションを移動するための方法を投稿したいと思います。

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