基板上にPH68と記載のあるUSB 3.2 Gen 2 (10Gbps) 拡張ボードを入手して、USB 3.2 Gen 2 19ピン ヘッダ端子を増やすことにしました。入手したので、この拡張ボードの詳細を調べます。
PH68: USB 3.2 Gen 2 (10Gbps) 拡張ボード
入手した拡張ボードには以下のものです。
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この製品は以下の構成でした。
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製品としてはシンプルな構成で、拡張ボード本体と付属品がロープロファイル用のバックパネルと固定用ネジです。
拡張ボード本体には、標準サイズのバックパネルが取り付けられていますが、付属のロープロファイル用のバックパネルに付け替えることができ、ロープロファイルの拡張ボードしても利用できます。
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この拡張ボードのPCI expressの電気的な接続は、PCIe Gen 3 x 2 であり2レーンでの接続です。しかしPCI expressのの物理スロットサイズは、x1, x4, x8, x16 しか規定されていないので、物理サイズは x4 のサイズとなります。そのため、この拡張ボードを使うためには、マザーボード側は、x4、x8 または x16 の空きスロットが必要となります。
つぎに、基板のリビジョンを確認します。上記の写真だと基板のリビジョンが確認しにくいので、基板部分を拡大した写真が以下です。
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Amazon上の製品の写真には、Rev:1.1 か Rev:1.2 の2種類しか存在が確認できませんでした。しかし、発送されてきたのは、Rev: 1.3 23E05 というリビジョンで、さらに修正が入った新しいリビジョンの基板でした。
参考までに、拡張ボードの各方向からの写真は以下となります。
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PH68 の端子
PH68は、USB 3.2 Gen 2の拡張ボードです。この拡張ボードにより、追加で利用できるようになるUSB端子は4個です。
- 19ピン ヘッダ端子 (PCケース内部側)
- Key-A (Type-E) 端子 (PCケース内部側)
- Type-A 端子 (バックパネル側)
- Type-C 端子 (バックパネル側)
4個とも形状は異なり、4種類の端子がひとつづつ利用可能になります。
4個の端子ともすべて、10Gbps (USB 3.2 Gen 2 x 1)の規格の端子となります。
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VI822の正体 (VL822)
このPH68の拡張ボードは、Amazonでいろいろな販売者が扱っています。その商品紹介を確認すると、PH68には、コントロールLSIとしてASM3142とⅥ822を使用していると説明されています。
ASM3142は、製品仕様やデータシートで確認すると、PCIe3 x 2接続でUSB 3.2 Gen 2 x 1を2ポートを実現するコントロールLSIです。
しかし、「VI822」を、WEBで検索しても製品仕様やデータシートが見つかりません。
そこで、製品構成から考えました。ASM3142がUSBポートを2ポートしか実装しないので、この拡張ボードの端子数的に、USBハブが必須です。そのため、USBハブであることを想定して、「USB HUB 822」でWEB検索したところ、製品仕様が見つかりました。
製品名称が間違っており、「VI822」ではなく、正しくは「VL822」です。拡張ボードの製品情報について、どこかで、LとIが間違って記載され、それがすべての販売者に間違って伝搬したようです。
VL822の製品仕様は以下の通りです。
製品URL | https://www.via-labs.com/product_show.php?id=99 |
メーカー | VIA Labs, Inc. |
アップストリーム ポート | 1ポート (10Gbps, USB 3.2 Gen 2) |
ダウンストリーム ポート | 4ポート (10Gbps, USB 3.2 Gen 2) |
VL822のブロック図を確認すると、1ポートを4ポートに分割するUSB 3.2 gen 2のハブであることが一目瞭然です。
アップストリーム (ブロック図の左上)のEnhanced SS PHY および USB 2.0 PHYを、4ポートのダウンストリーム(ブロック図の下側)に分割しています。
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拡張ボードのUSBのポート数とコントロールLSI
PH68 (USB 3.2 Gen 2)の拡張ボードには、4つの端子があります。
- 19ピン ヘッダ端子 (PCケース内部側)
- Key-A (Type-E) 端子 (PCケース内部側)
- Type-A 端子 (バックパネル側)
- Type-C 端子 (バックパネル側)
このうち、19ピン ヘッダ端子には、2ポート分のUSB信号線が実装されています。
そのため、全端子で、5ポート分のUSB信号線があることになります。
ASM3142は、ダウンストリームが2ポートです。そして、VL822はダウンストリームが4ポートです。
下記のようにASM3142のダウンストリームの一つのポートにVL822のアップストリームをつなぐと、全体として、ダウンストリームが5ポートとなり、製品の端子構成に一致します。
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そのため、PH68は、ASM3142とVL822が上記のようにつながっていると考えられます。
USB拡張ボード PH68 の製品構成を確認しました。次回は、この拡張ボードをPCに挿して、Windows上から拡張ボードを確認します。