前回までの投稿で、USB 3.2 Gen 1のType-AポートとUSB 3.2 Gen 2のType-Cポートを2.5インチベイを利用して増設しました。その後、既存のUSB 2.0のType-Aポートが調子悪いことがわかりました。
まずは、VAIO RCのケースのUSBポートについて、確認します。
VAIO RCのケースのUSB ポート
VAIO RCのフロントパネル(前面)にあるUSBポートは、中央のあたりに1ポート(下記の左側のVAIO RC前面の画像の3番の部分)、下部のあたりに2ポート(下記の左側のVAIO RC裏面の画像の5番の部分)、合計3ポートあります。
VAIO RCのバックパネル(後面)にあるUSBポートは、中央右側あたりに4ポート(下記の右側のVAIO RC後面の画像の15番の部分)あります。
VAIO RCは、2006年くらいに販売されていました。当時は、USB 3.0の規格(2008年)はありませんでした。そのため、VAIO RCのケースにあるUSBポートは、すべてUSB 2.0規格ののものとなります。
フロント パネルのUSBポート
フロントパネルのUSBポートは、PCケースにポートが直接設置されており、ケースとマザーボードは、内部用の接続ケーブルでつなぎます。内部用の接続ケーブルは、USB 2.0とUSB 3.2では、ケーブルの種類が異なり、互換性はありません。そのため、PCケース側がUSB 2.0であれば、USB 3.2のポートして使うことはできません。
ASUS Prime Z790M-D4 Plus CSMのフロントパネルのUSBポートに接続等に使えるUSB内部コネクターは、3種類あります。
規格 | 形状 | ポート数 | 最大速度 |
---|---|---|---|
USB 3.2 Gen 1 | Key-A | 1 | 5 Gbps |
USB 3.2 Gen 1 | USB 3.0ヘッダー | 1 | 5 Gbps |
USB 2.0 | USB 2.0ヘッダー | 2 | 480 Mbps |
ASUS Prime Z790M-D4 Plus CSM の USB 3.2 Gen 1用Key-A コネクター
プロントパネル等のUSB 3.2のType-Cポートと接続するためのコネクターです。バックパネルのType-Cポートは、USB 3.2 Gen 2 x 2 (20 Gbps)でしたが、プロントパネルのType-Cポート用は、USB 3.2 Gen 1 (5 Gbps)です。
ASUS Prime Z790M-D4 Plus CSM の USB 3.2 Gen 1用内部ヘッダーコネクター
プロントパネル等のUSB 3.2 の Type-A端子と接続するためのヘッダーコネクターです。バックパネルのType-Aポートは、USB 3.2 Gen 2 (10 Gbps)とUSB 3.2 Gen 1 (5 Gbps)とでしたが、プロントパネル用は、USB 3.2 Gen 1 (5 Gbps)です。
一つのヘッダーコネクターで、USBポート二つ分になるため、全体で2ポート分存在することになります。
ASUS Prime Z790M-D4 Plus CSM の USB 2.0用内部ヘッダーコネクター
プロントパネル等のUSB 2.0 の Type-A端子と接続するためのヘッダーコネクターです。ヘッダーコネクターは二つあります。一つのヘッダーコネクターで、USBポート二つ分になるため、全体で4ポート分存在することになります。
バック パネルのUSBポート
バックパネルのUSBポートは、マザーボードに直結されているものです。そのため、マザーボードを取り換えると、もともとあったVAIO RCのUSBポートの規格によらず、バックパネルのUSBポートは最新の規格のものになります。
ASUS PRIME Z790M-PLUS D4の場合は、バックパネルには、USBポートは全体で8個あります。8ポートの規格、形状、ポート数、最大速度の詳細は以下の通りです。
規格 | 形状 | ポート数 | 最大速度 |
---|---|---|---|
USB 2.0 | Type-A | 2 | 480 Mbps |
USB 3.2 Gen 2 | Type-A | 1 | 10 Gbps |
USB 3.2 Gen 2 x 2 | Type-C | 1 | 20 Gbps |
USB 3.2 Gen 1 | Type-A | 4 | 5 Gbps |
バックパネルのポートの中には、USB 3.2 Gen 2 x 2 (20 Gbps)もあり、充実しています。
ASUS PRIME Z790M-PLUS D4のパックパネルの端子構成は下記の図の通りです。
フロント パネルのUSBポートの調子が悪い
VAIO RCのケースにASUS PRIME Z790M-PLUS D4を組み込んだPCでWindowsを稼働中に問題が発生しました。
デバイスを新たに接続していないのに、頻繁に、デバイスの接続音(ピポッ)とデバイスの切断音(ピポン)が頻繁に繰り返す状況に遭遇しました。具体的には右の再生ボタンで再生できる二つの音です。
はじめは、何のデバイスが接続・切断を繰り返しているかわかりませんでした。いろいろ調べていくうちに、USBデバイスが接続切断を繰り返していることがわかりました。というのは、デバイス マネージャーのデバイスのツリー表示でUSBデバイスのところで、デバイスが増えたり減ったりしていたからです。
上記の画像のように「不明な USB デバイス (デバイス記述子要求の失敗)」という項目のデバイスが、現れたり、存在しなくなるのを繰り返していました。
また、一瞬ですが、上記の画像のようなに、エクスプローラーの「USBデバイスが認識されません」のバルーンが表示されることもありました。
マザーボード上のUSBポート(バックパネル)、もしくは、USBコネクター(内部接続用)の不具合で、マザーボードの修理が必要かと思いました。しかしそうではありませんでした。
どのUSBポートに問題があるのかを切り分けるために、デバイス マネージャー上で、各USBポートを順番に無効化・有効化をして、上記の現象が起きているポートを、特定していきました。
すると、フロントパネル下部のUSBポート上で、USBデバイスが接続されたり、存在しなくなったりしていることを特定しました。それも、デバイスを一つもつないでいなくても発生しています。
このポートはマザーボードのUSB 2.0のヘッダーコネクターに接続しています。
使用しているマザーボード上にはUSB 2.0のヘッダーコネクターは二つあります。一つは、プロントパネルの中央のUSB 2.0ポートと古いメモリカードリーダーに接続しています。もう一方を、フロントパネルの下部のUSB 2.0ポートに接続しています。このフロントパネルの下部のUSB 2.0ポートに接続したマザーボード上のUSB 2.0 ヘッダーコネクター側が故障していると考えました。
そこで、二つのUSB 2.0 ヘッダーコネクターの接続を入れ替えました。そしたら、フロントパネルの下部のUSB 2.0 ポート側では、現象が再現しなくなるかと思いました。しかし、入れ替え前とかわらず、フロントパネルの下部のUSB 2.0 ポート側で、引き続き同じ現象が再現します。
原因の箇所が特定できません。
つぎに、フロントパネルの下部のUSB 2.0 ポートとマザーボードをつないでいるヘッダーケーブルをマザーボードから抜きました。すると、現象が再現しなくなりました。
以上のことから、問題があるのはマザーボードではなく、フロントパネルの下部のUSB 2.0 ポートとマザーボードをつなぐヘッダーケーブルに問題があると結論付けました。
とりあえず、原因はわかりました。この現象が発生していると、PCを使っているときに、接続音と切断音が頻繁に鳴るので、実用的ではありません。そのため、応急処置として、問題が発生しているヘッダーケーブルを取り外すことにしました。このヘッダーケーブルをマザーボードに接続していないと、問題は発生しません。
ただ、データのコピーなどで、USBメモリをPCに二つつなぎたいことがよくあるので、フロントパネルの下部のUSBポートが使えないのは、不便です。
そこで、フロントパネルの下部のUSBポートにつながるヘッダーケーブルを修理する必要があります。
今回の投稿では、フロントパネルの下部のUSBポートの調子が悪いことがわかりました。そして、原因を突き止めていくと、USBポートとマザーボードをつなぐヘッダーケーブルに問題があることがわかりました。
次回の投稿では、このフロントパネルの下部のUSBポートとマザーボードをつなぐヘッダーケーブルを修理する方法を考えます。
“VAIO RCのケースで最新PC(Z790、第13世代CPU)を組み立てる#13 既存のフロントUSB 2.0 Type-A ポートのUSB 3.2化 1” への1件の返信