前回の投稿で、サポートにパケットデータを提供したことを報告しました。その後の内容です。
サポートとのやり取りの時系列
Synologyのサポートの対応は、同様の不具合に関する情報提供や環境情報提供依頼のときは、次の日には、進捗がありました。今回は、通信パケットデータの解析があるため、解析に時間がかかるのか、すぐには返事がきませんでした。
サポートとのやり取りの最初からの時系列は以下の通りです。
- 2022/05/11 (送信) バージョンアップに伴う不具合の報告
- 2022/05/12 (受信) いくつかの対処方法の連絡と解決しない場合の原因デバイスの切り分けとネットワーク環境の情報提供依頼
- 2022/05/17 (送信) 原因デバイスの切り分け情報とネットワーク環境の情報提供
- 2022/05/18 (受信) ネットワーク設定を変更してのDMCの検出確認の依頼
- 2022/05/20 (送信) パケットキャプチャーで特定の通信に失敗していることを報告
- 2022/05/20 (受信) ツールを使ったパケットキャプチャーの依頼
- 2022/05/20 (送信) 指定のツールがDiskStation上にないことを報告
- 2022/05/23 (受信) ツールのインストール方法の案内
- 2022/05/23 (送信) ツールインストールの準備が整ったことを連絡
- 2022/05/24 (受信) 再度、ツールを使ったパケットキャプチャーの依頼
- 2022/05/24 (送信) パケットデータ情報提供
ここまでの内容は、前回の投稿で報告しました。
その後のやり取りは以下です。
- 2022/05/30 (受信) 調査中の案内
- 2022/06/02 (受信) 指摘内容通りの症状の再現と原因の連絡
- 2022/06/03 (送信) OSSライブラリーが更新されればメディアサーバーに反映するかの確認
- 2022/06/07 (受信) ライブラリーが更新されれば時期は未定であるが反映することの連絡
詳細を見ていきたいと思います。
2022/05/30 (受信) 調査中の案内
抜粋すると、以下の通りです。
現在、ご提供いただいた情報を基に調査を進めさせていただいております。
まだ調査は終わっていないが、調査を進めていることの案内です。1週間くらい経過したので、不安を与えないための進捗報告のようです。
たしかに、この返信をみて、ちゃんと調査してくれていると感じました。
2022/06/02 (受信) 指摘内容通りの症状の再現と原因の連絡
まだ解析に時間がかかるかなぁと思っていたところ、3日後には連絡がきました。
お問い合わせいただいている事象について調査させていただいた結果、お客様にて検証いただいた結果と同様の動作となることを確認いたしました。
私の検証結果と同じ挙動を確認できたとのこと。
最新のMedia Serverで使用されているバージョンのライブラリ「libupnp」では
DiskStation上の「メディアサーバー」では、upnpの処理に、オープンソースソフトウェアのlibupnp (pupnp) を利用しているとのこと。そして、このライブラリーの最新版でポート番号の指定が必須となり、今回の現象が発生している。
関連する情報について下記にご紹介させていただきます。 (外部サイト)[1.14.6] Compatibility issues · Issue #342· pupnp/pupnp· GitHub https://github.com/pupnp/pupnp/issues/342
また、pupnpのgithubにも関連するissueが登録されていることまで突き止めてくれました。
お客様のご要望にお応えすることができず申し訳ございませんが、libupnpの仕様につきましては弊社にて変更をさせていただくことができません。
ただ、これはpupnpの仕様変更であり、Synologyの「メディアサーバー」側の修正では対応できないので、クライアントデバイス側のサポートに問い合わせて、ポート番号を付与する対応をしてもらうしか解決方法はないとの見解でした。
しかし、今回接続できなくなったDLNAクライアントのデバイスは、メーカーのサポートが終わっているものであり、クライアントデバイス側での修正は期待できません。
そこで、「メディアサーバー」側の今後の対応して、以下の質問をしました。
2022/06/03 (送信) OSSライブラリーが更新されればメディアサーバーに反映するかの確認
libupnp (pupnp)を使っているということなので、このライブラリーがポート番号がない場合も動作するように修正されれば、Synologyのメディアサーバーにも反映してくれるかを問い合わせしました。
2022/06/07 (受信) ライブラリーが更新されれば時期は未定であるが反映することの連絡
しばらくして返事がありました。抜粋すると以下の通り。
弊社では、今後も本事象をフォローアップ予定となっております。 libupnp (pupnp) 側で修正が行われた場合、弊社のDSMもしくはMedia Serverのアップデートにて当該修正を反映させていただきます。 libupnp (pupnp) の修正後、どの程度の期間を置いて弊社製品に修正が反映されるかにつきましては、恐れ入りますが現段階ではご案内ができませんことご了承願います。
libupnp (pupnp)が修正されれば、Synologyのメディアサーバーにも反映することになる。ただし、反映するタイミングは、現時点ではわからない。
Synologyのメディアサーバーで以前のバージョンで接続できていたDLNAクラインとで動作するようにするには、libupnp (pupnp) を修正すればよいことになります。なら、libupnp (pupnp)を修正してしまおうと思います。
今回の投稿は、「メディアサーバー」のバージョンアップに伴い発生した問題の解決に向けて、かなり良い反応であった、Synologyのサポートのやり取りの紹介でした。
“NAS DiskStationの導入 #14 メディアサーバー(DLNAサーバー) – 原因が判明” への1件の返信