VAIO RCのケースで最新PC(Z790、第13世代CPU)を組み立てる#5 ストレージの取り付け

前回までに、最低限の部品でPCを組み立て、BIOSが起動できるところまで確認しました。今回は、OSをインストールするためにストレージを取り付けます。

ストレージの構成の検討

通常の用途であれば、メインのストレージが一つあれば十分です。しかし、今回組み立てるPCは、ソフトウェア開発に使う予定のPCです。そのため、通常の用途のPCより、ストレージ構成は豪華になります。

使用できるストレージ向けインターフェース

今回のPCのマザーボードは、 ASUSのマザーボードPRIME Z790M-PLUS D4-CSM です。このマザーボードには、ストレージ向けのインターフェースとして以下のものがあります。

  • M.2 M-key slot1: NVNe, PCI-E Gen4 x 4, size: 2242 / 2260 / 2280
  • M.2 M-key slot2: NVNe, PCI-E Gen4 x 4, size: 2260 / 2280
  • M.2 M-key slot3: NVNe, PCI-E Gen4 x 4 / SATA 6Gbps, size: 2242 / 2260 / 2280
  • 4 x SATA 6Gb/s ports

M.2 M-Keyスロットは、三つあります。二つのスロット(slot1/slot2)はPCI-E専用です。残りの一つ(slot3)は、SATA/PCI-Eの両方をサポートしています。

SATAは、6GbpsのSATA IIIのポートが4個あります。ただし、前回の投稿でも確認しましたが、VAIO RCのケースの都合上、利用できるのは3ポートです。

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ストレージの構成

ストレージ接続に利用できるポートは、M.2が3スロット、SATA3が3ポートであることが確認できました。これらのインターフェースを最終的には、以下のように使用する予定でです。

  • M.2スロット#1: メインのストレージ(NVMe SSD)
  • M.2スロット#2: サブのストレージ(NVMe SSD)
  • M.2スロット#3: 予備
  • SATAポート#1: 光学ドライブ(BD)
  • SATAポート#2: バックアップストレージ(RAID1, HDD)
  • SATAポート#3: バックアップストレージ(RAID1, HDD)

メインのストレージでは、Windowsのインストールと仮想環境の仮想ディスク以外のデータのために使用します。このストレージは、新規パーツです。

サブのストレージでは、仮想環境の仮想ディスク用に使用します。 このストレージは、新規パーツです。

光学ドライブは、たまに光学ディスクにデータを保存する必要があるので、その用途に使用します。ビデオを見る用途にはたぶん使いません。この光学ドライブは、VAIO RCで使っていたドライブをそのまま使います。

バックアップストレージは、HDDでRAID1(ミラーリング)を構成し、重要なデータのバックアップ用に使います。ただし、今回は、バックアップ用のストレージは構築しません。後日、構築します。

ストレージの部品

今回用意したストレージは、メインのストレージとサブのストレージです。具体的には以下のNVMe SSDを用意しました。

  • メインストレージ: 2TB NVMe SSD (ADATA LEGEND 960 MAX, M.2 2280 SSD, NVMe 1.4, PCIe Gen 4 x 4, ALEG-960M-2TCS)
  • サブストレージ: 2TB NVMe SSD (SAMSUNG SSD 980 PRO, M.2 2280 SSD, NVMe 1.4, PCIe Gen 4 x 4, MZ-V8P2T0B/IT)

サブのストレージの容量が大きめなのは、ソフトウェア開発用に仮想環境の仮想ストレージを複数作成する予定があるからです。

また、M.2 NVMe SSDは、それなりに発熱があるということなので、ヒートシンクも使います。今回使用する二つのSSDでは、ADATAはヒートシンクが付属していますが、SAMSUNGのSSDがヒートシンクが付属していません。今回は取り付けます。ただ、高価なヒートシンクを使うつもりはなく、Amazonで購入できる安いものにしました。今回購入したのは、以下の通りです。

特にこだわりはあるのではなく、適当に安価なものを選びました。2種類購入しましたが、実際に利用するのは、どちらか一方です。なお、Amazonで安価なものを選ぶと、多くが中国からの配送です。中国からの配送の場合、翌日には届きません。1-2週間かかるのでの注意しましょう。

使用するストレージの実際の部品

M.2 NVMe SSD

今回用意したM.2 NVMe SSDです。ADATAの2TBのM.2 NVMe SSDとSAMSUNGの2TBのM.2 NVMe SSDです。メーカーは異なりますが二つとも5年保証です。

M.2 NVMe SSD

M.2ヒートシンク

今回用意したM.2用ヒートシンクです。

M.2 ヒートシンク (上面のみ型)
M.2 ヒートシンク (両面型)

左側がM.2 SSDの上面に取り付けるヒートシンク2組です。ヒートシンクは付属のシリコンバンドで固定します。上面から熱を吸い上げ、ヒートシンクで放熱します。

右側がM.2 SSDを上下から挟むように取り付けるタイプのM.2ヒートシンクです。両面から熱を吸い上げ、ヒートシンクで放熱します。

最終的には、右側のM.2ヒートシンクを使うことにしました。どちらのヒートシンクもマザーボード上で他のパーツと干渉することはありませんでした。そうであれば、両面から熱を吸い上げれることができるヒートシンクが良いと思ったからです。

M.2ヒートシンクの組み立て (SAMSUNG SSD)

SAMSUNG SSD ストレージを、マザーボードに取り付ける前に、まずは、M.2 NVMe SSDにヒートシンクを取り付けます。

このヒートシンクは、黒色の土台と、赤色のヒートシンクでM.2 SSDを挟み込むように取り付けます。

組み立てに先立って、土台とヒートシンクの接触面にサーマルパッドを取り付けます。サーマルパッドは、0.5mmと1.0mmの2枚が付属しています。この0.5mmのサーマルパッドを黒色の土台に取り付けます。1.0mmのサーマルパッドを赤色のヒートシンクに取り付けます。サーマルパッドには、透明の保護シートがついていますが、それは外します。

左側の写真のように黒色の土台の左側のネジ穴と反対側から(右側から)サーマルパッドをぴったりつけるとちょうどよいです。赤色のヒートシンクも、左側のネジ穴と反対側から(右側から)サーマルパッドをぴったりつけるとちょうどよいです。

土台とヒートシンクにサーマルパッドの取り付け
土台にM.2 SSDをを取り付け

サーマルパッドを付けたら、黒色の土台にM.2 SSDを取り付けます。取付といっても重ねるだけです。この時の横方向の位置ですが、土台の左側のネジ穴のある側の端(左端)と、M.2 SSDのネジ穴がある側の端(左)をぴったり合わせるとちょうどよいです。

次に、下の左側の写真のように、赤色のヒートシンクを重ねます。溝に沿って重ねるのみで、位置合わせの微調整は特に必要ありません。重ねたら、ヒートシンクのネジ穴は、土台のネジ穴にぴったり合っているので、4本のネジで固定します。

ヒートシンクを取り付け
ヒートシンクを取り付け

二つの写真は、ネジで固定した後の状態で、上からの写真と下からの写真です。

M.2ヒートシンクの組み立て (ADATA SSD)

ADATA SSDストレージも同様にマザーボードに取り付ける前に、まずは、M.2 NVMe SSDにヒートシンクを取り付けます。

ADATA LEGEND 960 MAX (ALEG-960M-2TCS, M.2 2280 SSD, NVMe 1.4, PCIe Gen 4 x 4)

ADATA SSDは、ヒートシンク付属のSSDを入手したので、付属のヒートシンクを使って組み立てます。組み立ては、サーマルパッドの保護フィルムを取り外し、ヒートシンクと固定用のカバーでSSDモジュールを挟み込むだけです。

ADATA LEGEND 960 MAX (ALEG-960M-2TCS, M.2 2280 SSD, NVMe 1.4, PCIe Gen 4 x 4) (組み立て後の上面)
ADATA LEGEND 960 MAX (ALEG-960M-2TCS, M.2 2280 SSD, NVMe 1.4, PCIe Gen 4 x 4) (組み立て後の下面)

ストレージの取り付け

それぞれのM.2 SSDモジュールへヒートシンクを取り付けたのが以下の写真です。

ヒートシンクを取り付けた二つのM.2 SSD

これらをマザーボードに取り付けます。

ストレージ用M.2 スロット

M.2のスロットにM.2 SDDモジュールを取り付けるときには、マザーボード上のM.2用ネジ穴に、固定台ネジを取り付けた後に、M.2 SDDモジュールを取り付け、最後に固定用ネジでマザーボードに固定します。

M.2 SSDモジュールをマザーボードに固定するために必要となる「固定台ネジ」および「固定用ネジ」は、多くの場合、マザーボードに付属しています。

マザーボードに付属のM.2スロット用のネジと台座

ASUSのマザーボードPRIME Z790M-PLUS D4-CSM では、写真のように二つの小袋に入っています。固定台ネジが3個と固定用ネジが4個です。

固定用ネジは4つとも同じものです。この4つは、ストレージ用の3個のM.2スロット(M.2_1(ソケット3)、M.2_2(ソケット3)、M.2_3(ソケット3))とWi-Fi用のM.2スロット(M.2(WIFI))の固定用ネジとなります。

固定台ネジは、高さが異なる2種類が付属しています。長い方の固定台ネジ(2個)は、M.2_1(ソケット3)およびM.2_3(ソケット3)用となります。短い方の固定台ネジ(1個)は、M.2_2(ソケット3)用です。

今回、取り付けるM.2 NVMe SSDは、二つとも2280サイズです。そのため、下の左側の写真のように、マザーボードに付属の固定台ネジを2280の位置に取り付けます。M.2のスロットは3つあるので、予備のスロットにも2280の位置に固定台ネジを取り付けておきます。

固定台ネジは、ドライバーを使って簡単に取り付けれます。

今回は、(A)M.2_1にADATAのSSDを、(B)M.2_2にSAMSUNGのSSDを取り付けます。

2280サイズのM.2を取り付けるときのネジ穴の位置
2280サイズのM.2を取り付けるときのネジ穴に固定台ネジの準備完了

上の右側の写真は、三つのM.2スロットの固定台ネジを取り付けた後です。これで、マザーボード上のM.2スロットの準備は終わりました。

あとは、M.2 SSDモジュールをマザーボードのM.2スロットに取り付け固定するだけです。マザーボードに固定するときは、固定用のネジを使用します。

M.2 SSDモジュールをマザーボードに固定すると下の写真のようになります。上側のM.2 SSD(CPUクーラー側)は、CPUクーラーを取り付けた後であったため、空きの空間が狭く固定ネジを回すのが大変でした。通常の大きいドライバーではネジを回せませんでしたが、M.2ヒートシンクに付属していた細いドライバーではネジを回すことができマザーボードに固定することができました。

二組のM.2 NVMe SSDを取付完了

これで、M.2 SSDモジュールのマザーボードへの取り付けは完了です。

ストレージの接続確認

前回と同様にBIOSを起動し、UEFI設定画面を開き、取り付けたストレージを認識されているかを確認します。下記の写真のように、M2スロットにストレージが認識されていれば問題ありません。

ストレージをUEFI BIOSの設定画面で確認

もし、ストレージを認識できていなければ、差込み不良などの問題が発生してます。その場合は、PCの電源を落とし、電源ケーブルを抜いてから、もう一度スロットの差込み状況を確認します。


これで、VAIO RCのケースを使って作成した自作PCでWindows 11をインストールできるところまで準備できました。

次回は、Windows 11のインストール イメージの準備です。

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