前回の投稿で、VAIO RCのケースのフロントパネルの下部左側のUSB 2.0のポートの調子悪いので、USB 3.2化することにしました。その続きの投稿となります。
VAIO RCのケースのフロントUSB ポート
VAIO RCのフロントパネル(前面)にあるUSBポートは、中央のあたりに1ポート(下記の左側のVAIO RC前面の画像の3番の部分)、下部のあたりに2ポート(下記の左側のVAIO RC裏面の画像の5番の部分)、合計3ポートあります。
VAIO RCは、2006年くらいに販売されていました。当時は、USB 3.0の規格(2008年)はありませんでした。そのため、VAIO RCのケースにあるUSBポートは、すべてUSB 2.0規格ののものとなります。
今回、写真の5番の二つのUSB 2.0ポートをUSB 3.2 Gen 1のポートに置き換えます。
まずは、既存のUSB 2.0ポートにアクセスするため、ケースを分解します。
USB ポートの分解の手順
では、写真で交換のための順番を説明します。
ドライブベイの蓋を取り外す
まずは、ドライブベイの蓋を開けます。VAIO RCの設計思想では、ドライブをユーザーが交換することも想定しています。そのため、この蓋は簡単に開けれるようになっています。赤色の丸の部分(隙間の間)にふたを開けるためのボタンがあり、簡単に開けることができます。
VAIOロゴの手前カバーを取り外す
ドライブベイの蓋は、側面のカバーが外れるだけです。VAIOロゴのある前面のカバーを外す必要があります。前面のカバーは、下左の写真のように、3か所の爪で固定されています。この爪は、軽く引っ張りながらずらすと、外れます。ひとつづつ爪を外した後に、カバー全体を取り外すと簡単にできます。
前面カバーを取り外す
黒色の前面カバーは、下左の写真のように、3か所の爪で固定されています。この爪は、軽く押しながらずらすと、外れます。ひとつづつ爪を外した後に、カバー全体を取り外すと簡単にできます。
下部の端子プレートの取り外し
フロントのプラスティックパネルを外したら、下部の端子プレートを取り外します。端子プレートは、3本のネジで固定されています。
3本のネジを外すと、下記のように端子プレートを外すことができます。端子プレートには、複数のケーブルがつながっています。電源ボタン、電源LED、HDD LED、オーディオ、映像、USBポートへのケーブルです。USBポートのケーブル以外は、差し込まれているだけで、ネジでは固定されていません。電源ボタン、電源LED、HDD LEDは、爪に引っ掛けて固定されているだけなので、爪の引っ掛かりを外して、取り外します。オーディオと映像のケーブルは、それぞれ、刺さっているだけなので、まっすぐ引けば抜けます。ただし、テープで抜けくくしてあることがあるので、その場合は、テープを剥がしてから抜けばよいです。
USBポートのケーブルは、ネジで固定されています。2か所のネジを外せば、USBポートのケーブルはUSBポートごと取り外すことができます。
USBポートのケーブルは、ケーブル自体に、縦に2段のポートがつながっています。
USBポートへのUSBデバイスの抜き差しには、大きな力がかかるため、金属プレートとは、ネジで強力に固定されていたようです。
USBケーブルのポート部の形状
このUSBケーブルの固定用のネジ穴の間隔を確認します。
二つのネジ穴の間隔は、おおよそ24mmです。同じ形状のUSBケーブルで、ネジの間隔が24mmであれば、容易に変更することが可能です。
横から見た形状も確認します。
横から見た形状として特徴的なのは、USBポートの終端とネジ留め面が一致してないことです。おおよそ5mmくらいの差があります。
市販のパネル用USB 3ケーブル
Amazonで、VAIO RCのケースのフロントパネルのUSBケーブルと同様の形状のUSB 3.2 Gen 1のパネル用USBケーブルを探します。
すると、以下のようなスタッカブル USB 3 ケーブルを見つけることができます。
これが使うことができれば、取換えがすごく簡単です。しかし、二つの適合問題があり、実際には、これを使うことはできません。
- ネジ穴の間隔 (30mm)
- ネジ固定面とポート端子の終端面の関係 (ほぼ同一面)
上記の二つ問題で、VAIO RCのプロントパネルのUSBケーブルとしては適合しません。
VAIO RCのケースでは、ネジ穴の間隔は24mmです。しかし、上記の商品は、30mmです。ネジ穴の間隔6mmも異なるので、ネジで固定できません。
Amazonでは上記の商品以外の商品もいくつか見つけることはできます。しかし、2段組のUSBポートのパネル用USBケーブル、または、1段のUSBポートのパネル用USBケーブルであっても、ネジ穴の間隔は30mmです。パネル固定用のUSBケーブルのネジ穴の間隔は30mmがスタンダードのようです。
また、ネジ固定面とポートの終端面の位置関係も問題があり、適合しません。VAIO RCのケースに使うためには、それらの面の間には5mm程度の段差が必要です。しかし、市販されているパネル用USBケーブルは、二つの面の段差はほとんどのものが0mmです。段差がないものを無理やりVAIO RCのケースのパネルに取り付けると、USBポートの位置が、フロントパネルの面よりかなり奥の方に入り込んでしまいます。この場合、USBデバイスのUSBケーブルを接続することができません。
市販のパネル用スタッカブル USB ケーブルを使うのとは、異なる方法を考える必要があります。
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何か使えそうなものがないか、Amazonを検索していると、以下のものが見つかりました。
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ただし、固定用のネジ穴はないので、ネジで固定する部分は、別途用意する必要があります。3Dプリンターで印刷すればよいでしょう。
また、上記のUSBポート基板からは、下記のような内部延長用 USB 3.0 ケーブルが使えそうです。
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上記の延長用ケーブルは、30cm程度のものですが、AliExpressを検索すると50cm程度のものもあるようです。
なお、USB 3.0 延長用ケーブルには、ケーブル部分にフラットケーブルを使った安いものも見つかります。しかし、USB 3.2 Gen 1は、5Gbpsの高速な通信速度です。通信障害が発生する可能性があるので、ノイズ対策がされていないフラットケーブルを使ったものを利用するのは避けましょう。
次回は、上記のパーツを使って、フロントパネルのUSBポートをUSB 3.2 Gen 1化できないか検討します。
“VAIO RCのケースで最新PC(Z790、第13世代CPU)を組み立てる#14 既存のフロントUSB 2.0 Type-A ポートのUSB 3.2化 2” への2件の返信