前回は、使用するマザーボードを決めました。今回はCPU、メモリです。
CPU
2022年12月の時点で、CPUを選択しました。今回の最低限の条件は以下の通りです。
- Intel 第13世代 CPU (Raptor Lake)
- Coreが8個以上あるもの
- 内蔵グラフィックが利用できるもの
で検討しました。
ただ、当時(2022年12月)に発売されていたインテル13世代CPUの種類は限られて、以下の6種のみでした。
- Core i9 13900K BOX (8コア⁺16コア / 32スレッド、内蔵グラフィックあり) 9万円台前後
- Core i9 13900KF BOX (8コア⁺16コア / 32スレッド、内蔵グラフィック無し) 8万円台後半
- Core i7 13700K BOX (8コア⁺8コア / 24スレッド、内蔵グラフィックあり) 6万円円台前半
- Core i7 13700KF BOX (8コア⁺8コア / 24スレッド、内蔵グラフィック無し) 6万円台前半
- Core i5 13600K (6コア⁺8コア / 20スレッド、内蔵グラフィックあり) 4万円台後半
- Core i5 13600KF (6コア⁺8コア / 20スレッド、内蔵グラフィック無し) 4万円台後半
この6種以外のインテル13世代CPUは、2023年1月に多数追加されれました。値段は2022年12月当時のものであり、2023年に入ってからもっと購入しやすい値段になっています。
この六種の中で条件を満たすのは、Core i9 13900KとCore i7 13700Kの二つだけです。Core i9とCore i7では、値段差がかなりあり悩みました。しかし、
- 今回組み立てたPCを長く使う予定であること
- いろいろな開発をするので仮想環境を複数立ち上げっぱなしにする予定であること
を考慮して、最上位の Intel Core i9 13900K にすることにしました。
型番にKがついているということは、オーバークロックの対応モデルです。今まで、安定動作が優先であったため、オーバークロックで運用することはありませんでした。前回と同様、今回もKモデルではありますが、今回も安定動作を優先するため、オーバークロックで運用することはないと思います。
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Intel Core i9 13900Kの外観
第9世代インテルCore i9の箱は、サッカーボールみたいな大きなものでした。この大きな箱の中の中央に、CPUが一つ入っているだけで、ほとんどが空間でした。
しかし、第13世代インテルCore i9の箱は小さくなっていました。普通の6面体の箱で、かさばらなくなりました。ただ、これだけ小さくなっても、箱全体の容積に対して、CPUが占める容積の割合はほんの少しです。
Intel Core i9 13900Kの仕様
基本仕様
製品コレクション | 第 13 世代インテル® Core™ i9 プロセッサー |
開発コード名 | 製品の開発コード名 Raptor Lake |
システムの種類 | Desktop |
プロセッサー・ナンバー | i9-13900K |
リソグラフィー | Intel 7 |
希望カスタマー価格 | $589.00 – $599.00 |
使用条件 | PC / Client / Tablet | Workstation |
CPU の仕様
コアの数 | 24 |
Performance-coresの数 | 8 |
Efficient-coresの数 | 16 |
スレッド数 | 32 |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 5.80 GHz |
インテル® Thermal Velocity Boost 周波数 | 5.80 GHz |
インテル® ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 の動作周波数 | 5.70 GHz |
Performance-core最大ターボ・フリークエンシー | 5.40 GHz |
Efficient-core のターボ・ブースト利用時の最大フリークエンシー | 4.30 GHz |
Performance-core基本周波数フリークエンシー | 3.00 GHz |
Efficient-core基本フリークエンシー | 2.20 GHz |
キャッシュ | 36 MB Intel® Smart Cache |
合計 L2 キャッシュ | 32 MB |
プロセッサーのベースパワー | 125 W |
最大ターボパワー | 253 W |
補足事項
ステータス | Launched |
発売日 | Q4 ’22 |
組込み機器向けオプションの提供 | いいえ |
プロセッサー・グラフィックス
プロセッサー・グラフィックス | インテル® UHD グラフィックス 770 |
グラフィックス ベース動作周波数 | 300 MHz |
グラフィックス最大動的周波数 | 1.65 GHz |
グラフィックス出力 | eDP 1.4b | DP 1.4a | HDMI 2.1 |
実行ユニット | 32 |
最大解像度 (HDMI) | 4096 x 2160 @ 60Hz |
最大解像度 (DP) | 7680 x 4320 @ 60Hz |
最大解像度 (eDP – 内蔵フラットパネル) | 5120 x 3200 @ 120Hz |
DirectX 対応 | 12 |
OpenGL 対応 | 4.5 |
OpenCL サポート | 3 |
マルチフォーマット・コーデック・エンジン | 2 |
インテル® クイック・シンク・ビデオ | はい |
インテル® クリアー・ビデオ HDテクノロジー | はい |
サポートされているディスプレイ数 | 4 |
デバイス ID | 0xA780 |
拡張オプション
ダイレクト・メディア・インターフェイス(DMI) 改訂版 | 4 |
最多DMIレーン数 | 8 |
スケーラビリティ | 1S Only |
PCI Express リビジョン | 5.0 and 4.0 |
PCI Express 構成 | Up to 1×16+4 | 2×8+4 |
PCI Express レーンの最大数 | 20 |
パッケージの仕様
対応ソケット | FCLGA1700 |
最大 CPU 構成 | 1 |
Tjunction | 100°C |
高度なテクノロジー
インテル® Gaussian & Neural Accelerator | 3 |
インテル® スレッド・ディレクター | はい |
インテル® ディープラーニング・ブースト (インテル® DL ブースト) | はい |
Intel® Speed Shift Technology | はい |
インテル® Thermal Velocity Boost | はい |
インテル® ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 の動作周波数 | はい |
インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー | 2 |
インテル® ハイパースレッディング・テクノロジー | はい |
インテル® 64 | はい |
命令セット | 64-bit |
命令セット拡張 | Intel® SSE4.1 | Intel® SSE4.2 | Intel® AVX2 |
アイドルステート | はい |
拡張版インテル SpeedStep® テクノロジー | はい |
サーマル・モニタリング・テクノロジー | はい |
インテル® フレックス・メモリー・アクセス | はい |
インテル® Volume Management Device (VMD) | はい |
セキュリティーと信頼性
インテル® スタンダード・マネージャビリティー(ISM) | はい |
インテル® Control-Flow Enforcement Technology | はい |
インテル® AES New Instructions | はい |
セキュアキー | はい |
インテル® OS ガード | はい |
インテル® トラステッド・エグゼキューション・テクノロジー | はい |
エグゼキュート・ディスエーブル・ビット | はい |
インテル® ブートガード | はい |
モードベースの実行制御 (MBE) | はい |
インテル® ステーブル・イメージ・ プラットフォーム・プログラム (SIPP) | はい |
リダイレクト・プロテクション (VT-rp)付き インテル® バーチャライゼーション・テクノロジー | はい |
インテル® バーチャライゼーション・テクノロジー (VT-x) | はい |
ダイレクト I/O 向けインテル® バーチャライゼーション・テクノロジー (VT-d) | はい |
インテル® VT-x 拡張ページテーブル (EPT) | はい |
CPUクーラー (CPUファン)
使用するCPUは、第13世代インテルCPUのIntel Core i9 13900K BOX です。通常、インテルのCPUはBOX版であれば、CPUファンも同梱されています。しかし、オーバークロック対応版のKモデルに関しては、CPUファンは同梱されていません。別途、CPUファンを入手する必要があります。
CPUクーラー(CPUファン)が新たに必要になりました。新しく購入するなら、静音タイプにしたいと思いました。使用するCPUのTDPは125Wです。CPUクーラーは冷却能力がかなり高いものを用意する必要があります。
CPUクーラーを選択するための条件は以下の通りです。
- 静音駆動ができること1(目安としては、回転数が500rpm以下も可能であること)
- 静音駆動ができること2(目安としては、FANのサイズが100mm以上)
- VAIO RCのケースの設計思想の空気の流れになること(サイドフロー型)
- 高さが155mm以下であること(VAIO RCのケースの高さの上限)
- 背の高いメモリに干渉しないこと (ヒートスプレッダー付きのメモリも利用可)
- TDP 125Wの冷却能力があること
これらの条件で、いろいろ考えたうえで、風魔ⅡリビジョンB (FUMA2 Rev.B) (SCFM-2100)にしました。購入当時で8千円前後でした。
前回PCを組み立てたときは、風魔 弐(FUMA2) (SCFM-2000)でしたので、その後継となります。
前モデルとの違いは、
LGA1700対応の新型リテンションと新型ファン「KAZE FLEX II 120」 を採用。ファン性能のアップにより冷却性能の向上を実現
と記載されており、LGA1700対応と、ファンの強化により冷却性能の向上です。
前回組み立てたPCのCPUのTDPは95Wでした。今回のCPUのTDPは125Wなので発熱量は多くなっています。TDP 95WのPCにおいて、私の使い方では、FUMA2は、十分に静穏でした。CPUクーラーの音がうるさいと感じたことはありませんでした。ただ、グラフィックボードのファンの音が聞こえてくることはありました。
今回、CPUのTDPは125Wですが、CPUをフルに負荷かけることはほとんどないので、十分に静穏運用できると考えています。たとえ、CPUにフル負荷をかけたとしても、ファンが最高速で回れば、排熱できると考えています。
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メモリ
仮想環境を複数立ち上げるつもりなので、メモリは多めに64GBを用意することにします。マザーボードにはメモリスロットは4スロットしかありません。将来、メモリが足りなくなったときに増やせるように、今回は2スロットで構成します。そのため、メモリ構成は、32GB x 2となります。
第13世代のIntel CPUは、メモリはDDR4-3200 / PC4-25600、または、DDR5-5600 / PC5-44800が標準です。利用するマザーボードがサポートしているメモリはDDR4です。メモリのオーバークロック運用はしないつもりなので、使用するメモリ規格はDDR4-3200 / PC4-25600 1.2V のモジュールとします。
結果として、crucial DDR4-3200 UDIMM 1.2V CL22 64GB KIT (2 x 32GB) の CT2K32G4DFD832Aにしました。
購入は2022年11月頃であったため2万円後半でした。現在(2023年3月)であればもう少し値段が下がっており2万円前後です。
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今回までの主な部品のまとめ
- 電源: オウルテック Seasonic製 ATX電源 850W FOCUS-PX-850S
- マザーボード: ASUS PRIME Z790M-PLUS D4-CSM
- CPU: Intel Core i9 13900K (BX8071513900K)
- CPUクーラー: 風魔ⅡリビジョンB (FUMA2 Rev.B) (SCFM-2100)
- メモリ: 64GB (32GB x 2) DDR4-3200/PC4-25600 (CT2K32G4DFD832A)
となりました。これで最低限の部品はそろったので、組み立てれば、BIOSの起動までは確認できることになります。
次回は、組み立てです。
“VAIO RCのケースで最新PC(Z790、第13世代CPU)を組み立てる#3 CPUとメモリ” への1件の返信