米Micosoftが主催する開発者カンファレンスが毎年米国で開催されます。Microsoft Buildです。新型コロナで対人開催は中止されていましたが、2023年の今年は対人の開催され、2019年と同じ場所の米国ワシントン州のシアトルで開催されました。会場の雰囲気などを報告したいと思います。 1回目の投稿の続きです。 なお、この投稿では前回同様に基調講演やブレイクアウトセッションの内容にはほぼ触れていません。
この投稿では、Microsoft Buildの雰囲気を伝える内容に特化しています。基調講演やセッションの内容については、前回の投稿の最後にあるリンクを参考に別のサイトを参照してください。
日程
まずは、日程のおさらいです。今年のMicrosoft Buildは、以下の日程で開催されました。
Pre Day 5月22日(月) | Badge Pickup 参加証の取得 Pre-day Workshops ワークショップ |
Day 1 5月23日(火) | Imagine Cup, Keynote, Breakout sessions, Labs, Expert meet-ups & Demo sessions イマジンカップ、 基調講演、ブレイクアウト セッション、ラボ、専門家と話す、デモ セッション |
Day 2 5月24日(水) | Keynote, Breakout sessions, Labs, Expert meet-ups & Demo sessions 基調講演、ブレイクアウト セッション、ラボ、専門家と話す、デモ セッション |
Day 3 5月25日(木) | Breakout sessions & Closing session ブレイクアウト セッション、閉会式 |
基調講演では、これからの方向性や新しい製品・新しい技術などが紹介されます。
ブレイクアウト セッションでは、基調講演で新しく発表されたものも含め、掘り下げた内容や技術情報など詳しい内容の説明があります。
ワークショップ、ラボでは、実際にPC上で作業して技術の習得をします。
また、期間を通して、Level 3 & 4で「専門家と話す」、「デモ セッション」が開催されており、Sponsors, Exhibitors, Microsoftがブースを構えていろいろな技術説明・展示をしていました。
今回は、Day 1の基調講演からの記載です。
Day 1 (5月23日(火))
Time | Description | Location |
---|---|---|
7:00 AM – 6:30 PM | Badge pick-up: You are able to register and pick up your badge throughout the day, but arrive early to get a great seat for the Keynote! | Level 1 |
8:30 AM | Welcome to Microsoft Build Day 1: Join your daily hosts who will get you ready for the day ahead. | Level 2 |
9:00 AM – 11:00 AM | Keynote: Satya Nadella shares insights on the new era of AI, joined by Kevin Scott and OpenAI’s Greg Brockman, exploring how Microsoft and OpenAI’s full-stack AI platform empowers developers. Scott Guthrie makes next gen AI real, with GitHub Copilot, Azure OpenAI Service and Microsoft Cloud platform. | Level 2 |
11:00 AM – 11:30 AM | Break | |
11:30 AM – 11:30 AM | Breakout sessions: Join a breakout session streamed live from Seattle. | Levels 2, 4 and 5 |
12:15 PM – 1:30 PM | Lunch pick-up | Levels 3 and 4 |
11:00 AM – 6:00 PM | Discussion sessions: Connect and engage with your community through live, interactive sessions. | Levels 3 and 4 |
11:00 AM – 6:00 PM | Labs: Gain technical skills with help from subject matter experts. | Levels 3 |
11:00 AM – 6:00 PM | Expert Meet-ups: Get answers from Microsoft engineers, tech specialists, partners, and community experts. | Levels 3 and 4 |
11:00 AM – 6:00 PM | Demo sessions: Explore in-depth technical demos from Microsoft and our partners. | Rooms 330 and 430 |
5:30 PM – 7:00 PM | Microsoft | MongoDB Mixer: Mix it up with experts and colleagues over small bites and drinks. | Levels 3 and 4 |
Keynoteの会場
前回の2019年のMicrosoft Buildの基調講演は、基調講演専用の大ホールを使うのではなく、Expo内の会場の一部を使って行われていました。
2023年の基調講演の会場は、2018年以前と同様に、基調講演専用の大ホールを使って行われました。
もちろん、その席の中央前方付近は、プレス向けの席として予約されていました。
Build 2023開始
通常、Day 1はマイクロソフトCEOの基調講演から始まります。しかし2019年と同様に基調講演の前に、Imagine Cup World Championship (イマジンカップ世界チャンピオンシップ) がありました。
Imagine Cup World Championship の後に、CEO のサティア・ナデラ氏(Satya Nadella)による基調講演があり、その後は、セッション&ワークショップです。基調講演の内容はすでに公開されているので、詳細はこちらのビデオ(英語)をご覧ください。
Imagine Cup World Championship
Imagine Cupは、このサイトにあるように、
Imagine Cup は、次世代のコンピューター科学の学生がチームを組み、自分たちの創造性、情熱、テクノロジの知識を基に、生活、仕事、遊びのあり方を形作るアプリケーションを構築できるようにする世界的な大会です。毎年、世界中の何万人もの学生が賞金や旅行、賞品を獲得するため、さらに Imagine Cup を持ち帰る栄誉を勝ち取るために競い合います!
https://imaginecup.microsoft.com/
という内容の、マイクロソフトがスポンサーをしているイベントです。
このImagine Cupの2023年の世界チャンピオンシップがBuild 2023の基調講演の前にありました。世界から勝ち上がってきた3チームの中から優勝者が選ばれました。勝ち上がってきた3チームは、アメリカ(アメリカ大陸地域)、タイ(アジア地域)、ケニア(EMEA地区、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域)からのチームです。
- AMERICAS WINNER: Eupnea, United States
Eupneaは、結核患者や医療従事者に、命を救い結核を撲滅するための低コストのソリューションを提供する完全パッケージです。 人工知能の咳解析ツールを用いて、リスクスコアと診断を行い、ゲーミフィケーションによって治療を勧め、ユーザーをコミュニティと結びつけます。 - ASIA WINNER: CS-M Tool, Thailand
CS-M Tool(Cardiac Self-Monitoring Tool)は、ユーザー自身が心臓の健康状態をチェックできる医療機器です。AIと連携した聴診器に接続したスマートフォンを使って心音を処理し、アプリケーション内に結果を表示することで、異常を検知する仕組みです。 - EMEA WINNER: TAWI, Kenya
TAWIは、聴覚情報処理障害(APD)のお子様が直面するコミュニケーションの課題を解決する、革新的で利用しやすいソリューションです。TAWIは、リアルタイム音声認識技術を活用することで、背景ノイズの抑制、音声品質の向上、音声からテキストへの変換など、子どもたち一人ひとりのニーズに合わせて対応します。TAWIは、イヤホンとスマートフォンだけで、APDの子どもたちがコミュニケーションの壁を乗り越え、自信を持って世界を渡り歩き、自分の可能性を最大限に発揮できるよう支援します。
2023 Imagine Cup World Championship (microsoft.com)
2023年のチャンピオンになったのは、ケニアのチームのTAWIです。
World Champion: Team TAWI, Kenya
詳細が気になる方は、以下のビデオ(英語)やWEBサイト(英語)を見てください。
- 最終選考のビデオ (2023 Imagine Cup World Championship)
- 2023 年の世界チャンピオン: チーム TAWI のご紹介 (2023 Imagine Cup World Championship Winner Revealed!)
これらは2023年6月時点での有効なリンクです。
Keynote (基調講演)
Day 1の基調講演はおおよそ2時間です。
基調講演のビデオは以下に公開されています。
The era of the AI Copilot (microsoft.com)
Next generation AI for developers with the Microsoft Cloud
これらは2023年6月時点で有効なリンクです。
基調講演会場の中央のメインステージの左右には、巨大なスクリーンが二つずつあります。二つのスクリーンの片側には、手話の同時通訳画面も表示されています。
また、スクリーン下部にはスピーチをリアルタイムに文字起こしした、英語の字幕も表示されます。
Microsoft | MongoDB Mixer (Welcome Party)
Day 1の最後には、Welcome Partyがありました。メインのパーティはDay 2の夜なので、Day 1のパーティは飲み物とちょっとしたおつまみがある程度でした。
Day 2 (5月24日(水))
Time | Description | Location |
---|---|---|
7:00 AM – 6:30 PM | Badge pick-up: Check in, grab your badge and find a seat for the Keynote. | Level 1 |
8:30 AM | Welcome to Microsoft Build Day 2: Join your daily hosts who will get you ready for the day ahead. | Level 2 |
9:00 AM – 10:30 AM | Keynote: Join Rajesh Jha, EVP, Experiences + Devices, and Panos Panay, EVP & Chief Product Officer, to learn how developers can leverage the power of Microsoft 365 apps, Windows, and the Microsoft Graph to develop next generation AI-powered applications. | Level 2 |
11:45 AM – 1:30 PM | Lunch pick-up | Levels 3 and 4 |
11:00 AM – 6:00 PM | Breakout sessions: Join a breakout session streamed live from Seattle. | Levels 2, 4 and 5 |
11:00 AM – 6:00 PM | Discussion sessions: Connect and engage with your community through live, interactive sessions. | Levels 3 and 4 |
11:00 AM – 6:00 PM | Labs: Gain technical skills with help from subject matter experts. | Levels 3 |
11:00 AM – 6:00 PM | Expert Meet-ups: Get answers from Microsoft engineers, tech specialists, partners, and community experts. | Levels 3 and 4 |
11:00 AM – 6:00 PM | Demo sessions: Explore in-depth technical demos from Microsoft and our partners. | Rooms 330 and 430 |
6:00 PM – 8:30 PM | Microsoft | GitHub | AMD Celebration: Join the fun! Silent disco, classic arcade games, dueling pianos, and more. | Levels 5 |
2019年のBuildの基調講演は、Day 1 だけで、Day 2にはありませんでした。今年のBuildでは、それ以前のBuildと同様にDay 1 / Day 2の両日の午前に基調講演がありました。
Keynote (基調講演)
Day 2の基調講演はおおよそ1時間30分です。
基調講演のビデオは以下に公開されています。
Shaping the future of work with AI (microsoft.com)
これらは2023年6月時点で有効なリンクです。
Breakout sessions と Discussion sessions
Breakout sessionsで使われた部屋は、前面に大スクリーンを備え、椅子をきれいに並べた大会議室でした。
Discussion sessionsで使われた部屋は、下記の写真のように、前面には小スクリーンが複数用意され、椅子やソファーを組み合わせたゆったりした配置でした。写真では右側半分のみで、実際には横に長い会議室でした。
Cutting-edge partner
3階と4階のExport Meet-upエリアでは、マイクロソフト・関係会社・協力会社などが各技術の紹介をしています。
展示をしているパートナーは以下の通りでした。
- Adobe
- Aisera
- AMD
- Ampere
- Anjuna Security
- Ansys
- Avanade
- CData Software
- Confluent
- Datadog
- Elastic
- Forinet
- GitHub
- GitHub Copilot
- GrapeCity
- InfluxData
- Intel
- Kovrr
- LEADTOOLS
- Mantium
- MongoDB
- Mural
- Noname Security
- Orkes
- Pulumi
- Qualcomm
- Redis
- Run:ai
- snapLogic
- Statsig
- Striim
- SUSE
- Syncfusion
- Vantage
- VMWare
- Zscaler
Expert Meet-up: .NET に ちょまどさん
Day 2では、マイクロソフトの千代田まどか(ちょまど)さんが、「日本語しゃべりたいので、日本から現地参加している参加者はExpert Meet-up: .NETブースに来て~」と、発信していました。
そのため、セッションの間で、時間が取れたときに、お話をしにに行きました。2019年のMicrosoft Buildの会場でも少しお話ししましたが、2回連続でシアトルで会うことになりました。本人は前回と同じWSCCで開催されていることはあまりよくわかっていないようでした。前回は、Archビルディングで、今回は、新築のSummitビルディングで、建物も街のブロックも異なるので、別会場と思うのもしかたがないですが。
会場のいろいろな場所
会場のいろいろな場所の写真です。
Microsoft Store & Book Store
例年、Microsoft Buildの会場には、Microsoft Storeが出張販売しているのですが、今年はありませんでした。
Day 3 (5月25日(木))
Time | Description | Location |
---|---|---|
9:30 AM – 11:30 AM | Breakout sessions: Join a breakout session. | Levels 4 and 5 |
12:00 PM – 1:00 PM | Close session: Grab a morning bite and energy drink at the Microsoft and Elastic Energy Break. Then join Mark Russinovich and Scott Hanselman as they explore new possibilities with GitHub Copilot X and LLMs. | Levels 2 |
この日は基調講演はなく、すべての時間がブレイクアウト セッションです。ただし、今年は特別で、最後に閉会セッションがあります。
閉会セッションでは、Scott Hanselmanが簡単なシューティングゲームをGitHub Copilot Xを使って、大半を自動生成するデモを行っていました。
Scott and Mark Learn to Code (microsoft.com)
セッションの資料や映像はマイクロソフトが公開しています。
https://build.microsoft.com/en-US/sessions
セッションの詳細は上記を参照してください。これは2023年6月時点で有効なリンクです。
ただし、一部のセッションは、実会場のみで開催されたものもあり、これらはDigitalで公開さされていません。
今年のMicrosoft Buildは、こんな感じでした。もしかしたら、この2回の投稿で書ききれなかった内容を追加投稿するかもしれません。
なお、この投稿では、Microsoft Buildの雰囲気を伝える内容に特化しています。基調講演やセッションの内容については、前回の投稿の最後にあるリンクなどを参考に別のサイトを参照してください。