今回はソフトウェア開発の話題からはなれ、電子デバイスに関する投稿です。
最近、中古車を一台増やしました。中古車であるため、装備などは好みのものになっていません。
まず気になったのほ以下の点です。
- ナビの地図が古い
- いくつかのイルミネーションランプが切れている
- バックカメラがない
今回は、バックカメラがないことの対策をすることにしました。
バックカメラの取り付け位置の検討
まずは、純正バックカメラの取り付け位置を調べました。下の絵のように純正バックカメラは左側のライセンスランプの左側に位置でした。
純正バックカメラの位置は、少し左寄りになります。ただし、この位置には、モールがあり、純正バックカメラをつけているときは、カメラが入るようにモールの一部が四角に切り取られています。
後付けで、純正バックカメラの位置に取り付けるときは、モールの一部を四角系に切るとる必要があります。また、自動車のバックドアには、カメラの配線を室内に取り込む穴もないため、ハッチバックの金属板を金属ドリルで穴をあける必要があります。
バックカメラの検討
この位置に取り付けるバックカメラは、例えばパイオニアのカロッツェリア純正のバックカメラなら、カロッツェリア(パイオニア) バックカメラユニット ND-BC8-2となります。Amazonで探したところ、9,586円(2020年8月6日時点)です。一時的に使用する中古車につけるには、ちょっと高いです。
そこで、Amazonで、安いバックカメラを探してたところちょうど良いものが見つかりました。
ライセンスランプを置き換えるタイプのバックカメラです。
新品価格 ¥3,580から (2020/8/6 00:38時点) |
安いです。そして、なにより、ライセンスランプを入れ替えるタイプなので、モールの加工や金属の穴あけ加工が必要ありません。
また、純正バックカメラの位置より、ライセンスランプの位置の方が中央寄りです。そのため、バックカメラに映る映像も純正バックカメラの位置より、センター寄りのものになります。
このバックカメラはライセンスランプを置き換えますが、ライセンスランプ相当のLEDランプも付いているため、配線をちゃんとすれば、ライセンスランプとしても機能します。
このライセンスランプ一体型バックカメラは、ホンダ車の特定のモデルのライセンスライプを取り換えることができます。
バックカメラのガイドライン表示機能
このライセンスランプ一体型バックカメラの商品説明には以下の項目が書かれています。
- 純正のライセンスプレートライトと入れ替えるだけだから簡単取付!
- 純正と入れ替えるだけなのでバンパー加工は不要!
- 高画質のCCDを採用
- バックガイドライン機能付きで映像出力は鏡像でございます。
- ナンバー灯とバックカメラが同時に機能します。
この商品説明に気になる記述があります。「ガイドライン機能付きで鏡像」とのこと。バックカメラなので鏡像(映像が左右反転)は問題ありません。というか、逆に正像だと問題です。もうひとつ、ガイドラインが表示されるとのこと。
中華製バックカメラは、バック駐車の目安であるガイドラインが表示されるものが多いです。バックカメラのガイドライン表示機能は位置が固定です。
しかし、ガイドラインは、カーナビ側でも表示できます。カーナビ側で表示するガイドラインは、カーナビの設定で位置を調整できます。そのため、バックカメラを取り付けてから、取り付け位置や車両のサイズに適した位置にガイドラインを表示することができます。そのため、基本的にカーナビ側のガイドライン表機能を使います。
Amazonで中華製バックカメラをいろいろ検索していると、ものによっては、ガイドライン表示機能のOn/Offや鏡像・正像の切り替えが可能なものがあります。これらの切り替えは、外に出ている配線を切断することにより、初期状態と逆の設定にすることが可能となっています。
しかし、このライセンスランプ一体型バックカメラの説明には、ガイドライン表示機能をOn/Offできるとの記載はありません。写真を見ても、切り替えスイッチや切り替え用配線もありません。
バックカメラの基板や制御ICは、同じ価格帯の中華製バックカメラではほとんど共通であると思います。そのため、外部に設定用の切り替えスイッチやコードがなくても、基板上の端子に手を入れれば、切り替え可能だろうと考えました。
というわけで、この中華製ライセンスランプ一体型バックカメラを入手しました。
中華製ライセンスランプ一体型バックカメラ
バックカメラが届いたので、まずは動作確認です。ビデオ映像出力はRCA端子なので、RCA端子映像入力(黄色い端子)があるテレビなどにつないで確認します。
映像は問題なく出力されています。写真からは分かりませんが、映像は鏡像でした。また、ガイドラインが表示されています。このガイドラインは、実際の距離を計測して、位置を調整して表示しているのではなく、単純に映像の固定の位置に表示されています。
バックカメラの取り付け位置が左右の中央で、特定の高さであることが前提になっています。カーナビのガイドライン表示機能を使うため、このカメラ内蔵のガイドライン表示機能は、必要がないので、非表示にする方法を考えます。
実物は、Amazonの商品紹介で使用されていた写真と同じであったため、Amazonの写真で確認します。
ガイドライン表示機能をOffにするようなスイッチやコードはありません。バックカメラ本体の後部から、二つのコードが出ています。これは、一方がライセンスランプ用の電源です。これは、純正ライセンスランプにつながっていたコードをつなぐことになります。もう一方は、映像とカメラ電源が一体化したコードです。
実物で確認しても、外部からガイドライン表示機能をOffにする仕組みは用意されていませんでした。
バックカメラを分解
でも、まだあきらめません。当初の予定通り、カメラ基板を直接修正して、ガイドライン表示機能をOffにすることを試みます。
まずは、ケースを取り外します。隠しネジは特にありません。見えているネジを8本外すと、あとは、こじ開けると、以下の写真のように分解できます。
分解すると、二つの基板が現れます。左側はカメラ基板、右側はライセンスランプの基板です。
外ケースの勘合部には、特に防水用のシール素材などはありません。防水対策はどうしているのかというと、それぞれの基板に透明の防湿コーティングがされていました。基板を丸ごと防湿コーティングすることによって、防湿・防水の対策をしているようです。写真ではわかりにくいですが、防湿コーティングは、完全に透明の物質です。写真ですぐに判別できる白色半透明の物質は、防湿用ではなく基盤とケースとの固定用です。そのため白色半透明の物質は基板全体ではなく一部分のみです。白色半透明の物質と基板の全体を覆うように、透明の防湿コーティングています。
なお、みんカラというサイト(【案外】中華バックカメラのガイドラインってどうなってんのよ その2【凝ってる】)に、このバックカメラとは異なる製品の中華製バックカメラを分解した記事があります。その写真を引用すると、以下の写真になります。
別の製品の中華製バックカメラですが、基板は全く同じですね。予想通り、同じ価格帯の中華製バックカメラは、同じ基板を使用しているようです。このみんカラの記事の投稿者も大度ラインの表示を消したかったようです。しかし、ここまで分解して、ICのプログラムを変更しないと変更不可と判断して、ガイドラインを消すことをあきらめたようです。
私はもう少しトライアル&エラーを続けます。
カメラ基板を拡大すると、コードがつながれていないO/M/Fパッドがあります。
OパッドとMパッドには、そのすぐ下にチップ抵抗がついていました。Fパッドには、すぐ下にチップ抵抗はついていませんでした。
Fパッドをグランドに落としたら、映像が上下反転しました。Fパッドは、映像の上下反転を決める端子のようです。Fはフリップ(Flip)のFでしょうか?
OパッドとMパッドはグランドに落としても映像は変わりませんでした。チップ抵抗ですでにグランドに落ちているものと思われます。プルアップする(基板の電源電圧をつなぐ)かチップ抵抗を取り外せば、設定が反対になると思われます。しかし、プルアップするには基板の電源ラインを引き出す必要があり、作業量が多くなるので、あきらめます。12Vならすぐに繋げますが、基板上では、外部電源を降圧して利用していると思われるからです。
ここで、パッドの意味を推測します。MパッドのMはミラー(Mirror)のMであり、鏡像を制御するものと想定しました。OパッドのOはアウトライン(Outline)のOであり、ガイドラインを制御するものだと想定しました。
今回は、ガイドラインを非表示にしたいため、Oパッドのすぐ下のチップ抵抗を取り外してみることにしました。
ガイドライン表示機能をOffすることに成功
Oパッドのすぐ下のチップ抵抗を取り外すと取り外すと、ガイドライン表示が消えました。
下記の写真のように、チップ抵抗を取り外す前が、左側のガイドラインが表示された映像です。チップ抵抗を取り外した後が右側のガイドラインが非表示の映像です。
ガイドラインを消す目的が達成できました。
念のためチップ抵抗を取り外した状態で、Oパッドをグランドに落とすと、再度ガイドラインが表示されました。予想通り、パッドのすぐ下のチップ抵抗は、グランドにつなぐための抵抗です。
ガイドラインの表示を消すことに成功したので、あとは、バックカメラを元のように組み立てます。
しかしその前にやることがあります。なぜなら、パッドをグランドに落としたり、チップ抵抗を外すときに、ほんの一部ですが、防湿コーティングを裂いてしまいました。このまま組み立てて、自動車に取り付けても、湿気や結露で基板が壊れたり、レンズが曇ったりすることが想定されます。
そのため、防湿コーティング材を裂いたところに、さらに上から防湿コーティング材を塗ります。そして乾燥してから、バックカメラケースを組み立てます。その後、自動車に取り付けます。
取り付け時の配線の加工の投稿はこちら。
今回の投稿は、PC関係からは少し離れましたが、電子デバイス系ということで、中華製バックカメラの基板について扱いました。安い中華製バックカメラのガイドラインを消したいと思ったときに参考になれば幸いです。
中華製バックカメラのガイドライン表示
とても参考になりました、無事成功しました、ありがとうございます。